「長年看護師として一生懸命働いているけれど、そういえば私の年収って上がっているのかしら……？」と、ふと考えた経験はありませんか？
「安定していて高収入」と認識されがちな看護師のお仕事ですが、現実問題そこまで甘くはないと思っている方も多いかもしれません。
この記事では、看護師の平均年収はどのくらいなのか、さらに年収アップをめざすにはどんな取り組みが必要なのかについてご紹介します。
看護師の平均年収を知って「平均以下でショック……せめて平均までに上げたい」「私の年収を上げて、平均値を引き上げよう！」と思ったナースは、ぜひご参考にしてください。
看護師の平均年収は500万円前後
「公益社団法人 日本看護協会」の調べによると、看護師の平均年収は約520万円。
「500万円強」と、意識するとわかりやすいですね。
また、厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」においては、平成27年度の看護師の平均年収は約478万円となっています。
この数字を、あなたは高く感じましたか？それとも低いと思いましたか？
看護師の年収は算定基準によっても変わる
看護師の給与は、職場ごとに決まる基本給と手当の算定基準によって決められています。
そのため、同じ仕事内容・勤務時間でほぼ共通のスキルを持っているナースさんであっても、職場によって給与・年収がまったく違ってくることもあります。
医療機関には、国や自治体が運営する国公立の病院などもあれば私立の大学系、民間運営の医療法人が運営するものもあります。
街のクリニックなどは個人経営の場合もあるでしょう。
このように、経営母体がそれぞれ違うため、看護師の給与を決める場合にもそれぞれ形態や方針が異なってきます。
また、民間の病院であれば経営状況によって職員の給与が左右されることもあり得ます。
そのため転職して、前職とほぼ同様の業務に就いても、職場が変わっただけで大幅に年収が増えることもありますし、その逆のパターンも考えられるのです。
「長い間同じ職場で頑張っているのに、なかなかお給料が上がらない……」とお悩みであれば、転職することでそれが解決できる可能性もあるといえますね。
次の項目からは「もっと年収を上げたい！」というナースのための、より実践的な年収アップ術を詳しくご紹介します。
年収アップを目指すには？
看護師のお給料は職場ごとの算定基準で変わるため、一般的な職業と比較すると基本給が上がりにくいといわれています。
そこで、ここからは転職することで年収アップを図れる可能性があるおもな方法についてご紹介します。
1.都市部の大病院で働く
都市部と地方では、そもそも働く人の給与水準が異なります。
看護師としてほぼ同じ内容の仕事をしていても、大都市と地方の比較をすると年収で100万円ほどの差がついてしまう場合も。
「大都市では生活コストが高くなり、地方では低く済む」という考え方に基づいていると考えられますが、生活コストはご自身の工夫次第である程度調整が効くでしょう。
地方でナースをしていてお給料が低いことでお悩みであれば、大都市圏に引っ越して転職するだけで年収を上げられる可能性があります。
業務内容や働き方を変えずに収入を上げたい場合は、この方法がおすすめです。
「大都市で働くために住むところを探す手間やお金がかかりそう」とお悩みであれば、寮が完備されている職場もあるため、ご希望に合った職場を探すと良いでしょう。
2.訪問看護で働く
今後の超高齢化を考慮し、病院頼みの医療から一部を在宅医療に転換する取り組みが国を挙げて推奨されています。
そんな中、看護業界で拡大しつつある新しい働き方が訪問看護です。
病院と異なり夜勤や時間外の超過勤務はほとんどありませんが、まだ新しい業態であるため人手不足なので、お給料自体が高めに設定されています。
看護は続けたいが夜勤や残業による負担が大きく、働き方を大きく見直したいと考えている方なら、働き方を変えながらの年収アップが実現できるかもしれません。
3.管理職をめざす
看護に関する新しい資格を取得すれば、多くの職場で資格手当がつくため、それだけでお給料を上げることができます。
さらに、資格を取ることは目先の収入を上げるだけでなく、ご自身の将来性を高めることにもつながります。
看護師としての総合的な知識やスキルを証明できる資格や、専門的な資格を持っていると、将来的に管理職を目指す上でも有効です。
今の職場でキャリアを積んで管理職を目指す方法もありますが、資格を取ったらキャリアアップやスキルアップを視野に入れて転職を考えても良いでしょう。
4.手当制度に注目して転職先を探す
看護師の仕事でお給料につく手当といえば「夜勤手当」「深夜早朝割増賃金」が思い浮かぶでしょう。
夜勤手当と時間外手当は法令に基づいて支払われるものなのでどこの職場でも変わらないと思われがちですが、実はそうではありません。
職場によって、夜勤をした場合に「夜勤手当」だけが支払われる場合と、「夜勤手当」と「深夜早朝割増賃金」の両方が支給される場合があるのです。
それなら、断然夜勤手当と深夜早朝割増賃金の両方が支給される職場のほうがお給料が高くなります。
病床が多く大規模な病院では、夜勤手当と深夜早朝割増の両方がつくことが多くなる傾向にあるようです。
同じ働き方をしていても、支払われる手当が違うなら多くもらえる職場に行きたいもの。
手当制度にも注目し、多く手当が支払われる職場を見つけると良いでしょう。
まとめ
看護師のお給料は決して低水準ではないものの、「忙しさや体力の消耗度を考えると、それほど高いともいえないかも……」と感じる方も少なくないでしょう。
また、経験に応じてお給料がどんどん上がるということがあまりない職種です。
同じ職場でただ仕事を続けるだけでは、なかなか年収が上がらない可能性もあるといえますね。
年収を上げたい！と思っているなら、早めに行動に出ることがおすすめ。
転職での年収アップをかなえるなら、好条件の求人を探すコツを取り入れましょう。
具体的な方法としては、転職エージェントの利用もおすすめです。ご自身の希望に合う求人を見つけて転職を成功させるために、自分ひとりで転職先探しをするのは大変ですよね。
転職エージェントなら担当者がご自身の希望をしっかり把握し、最適な職場を紹介してもらえます。
