Vol.0005 イントネーション~ブラックナースの忠告  [2013/10/29更新]

スーパーナースは、ネットから登録された看護師さんに
必ず一度お電話をさせて頂いています。
先日、その電話対応の中で、先輩社員が

“「はい」の発音”

についてアドバイスを後輩にしているのが聞こえてきました。
常に聞き耳を立てているわけではないので、
どんなシチュエーションでの
どんな「はい」の発音だったのかわかりませんが、

懐かしい…

ついついおばちゃんは、目を細めてしまいました。
私も、かれこれ10年以上前に同じことを

“ブラック病棟のナンバーワンブラックナース”に

注意されました。

*ブラック病棟
実習危険病棟=学生にとって一番実習したくない病棟
理由は、厳しい・看護師が意地悪など色々…
*ブラックナース
通称ブラック。色んな病棟に点在も、
ナンバーワンはその名の通り、ナンバーワンに恐ろしい…

今でこそ、ブラック企業たる呼び名などがありますが、
看護師の世界の「ブラック」は、10年よりもっと前から、
ひっそりと絶えることなく受け継がれており、
陰の看護師辞典があるならば、必ず載っているはずです。

そんなブラックさんに注意された忘れもしない内容は、以下の通り…

「あんた、こっちの人間じゃないやんな。
あんたのそのイントネーション、気に障るねん。
特にその「はい」がおかしい。100回家で練習してきて。」

泣きました。

実習で泣いたのは数えるほどですが、
これは、嗚咽が出るほど泣きました。

病院は標準語が基本なのに、私のイントネーションより
遙かになまった方言(まあ、そこでは地元語なのですが)で
自分では気を付けているつもりだった
イントネーションを指摘されたこと。
そして何よりも、一番避けたかった、
ブラックに目をつけられてしまったこと。

小心者だけど、地元愛が強いマツコにとって
泣く要素はバッチリでした。
もちろん、注意された病棟じゃ溢れる涙をこらえましたよ。
泣いたのは、病棟を離れてからです。

これは、学生にも看護師さんにも言えるのですが、
病棟で泣くのはいただけないとマツコは思います。
泣くなら、人目のつかないところで泣くべきです。
どんな理由にせよ、女の涙には良くも悪くも威力がありますから。
世の中じゃ、使い方によっては
うまい具合に使えることもあるかもしれませんが、
女の世界では、逆効果になることがほとんどです。
なので、泣くときは人のいないところで、
泣いた後も、泣いたとわからないように気を付けましょう。

ただ、補足するとそのブラックさん、
名前のごとくお顔もこわーい人なのですが、後日マツコが
「返事の練習をしてきました。」と報告すると、
「別に意地悪で言ったわけじゃないんや。
私もな、こんな怖い顔してるから、先輩に笑顔の練習しいや
って言われて、鏡の前で100回練習したことがある。
顔が怖いなんて言われて、ショックやでー。
でもな、人がそう受け取ってるっていうことを自覚して、
直す努力をせなあかん。」

正直、本当に顔だけでなく怖い人ではあったのですが、
“ただ怖い人”だけではなく、そうやって笑いも交えたフォローをして
私の将来的なことも考えて注意して下さる人でもあったのです。
しかし、その時のマツコは、“怖い”ことが優先してしまっており、
言われた通り「はい」の練習はしたものの
その本質まではちゃんと理解できてはいませんでした。
そして、後々後輩の指導を行ったり、歳を重ねていくうちに
あの時の「はい」は、反省する点があったと思うようになりました。

学生マツコは、一つ一つ受け止めようと真剣さゆえの
「はい」でしたが、
緊張していて、低いトーンで答えていたために、
ふてくされているような、納得できていないような
「はい」
になっていたのです。
これは、言われた側は気分が悪いはずです。

たった、一言ですが、言葉って本当に大事ですね。
特に信頼関係が成り立っていない時の会話には気をつけたいものです。
患者さんにとっては病棟には沢山の看護師がいて
毎日入れ替わり立ち代わり色んな看護師が来るので、
そう簡単に覚えることはできません。
そのため、何度も担当したからといって、その患者さんが
自分を覚えてくれているとは限らず
信頼関係が構築できているとは限らないのです。
また、信頼関係が構築されていると思われる患者さんに対して、
ついついくずした話し方になってしまうことがありますが、
やはりそれを他の方が聞くと不快に感じることもあります。
会話も一つの看護です。
お薬を扱う時と同じように緊張感を持っておきたいですね。

逆に今の職場でとっても気分の良くなる声の持ち主がいます。
電話対応の際、スーパーナースに響く
彼女のほがらかで明るく、ほどよく元気な声は、
可愛らしい黄色いお花が咲いたような
ほんわかした気持ちになります。
彼女の人柄がそのまま出たような、発声、話し方に
ついつい、また、おばちゃんは目を細めてしまいます。
そして、いい人選だなあと下っ端社員なのに
なぜか人事の評価までこっそりしています。
もちろん、はじめのエピソードで出てきた後輩社員の方も
良い声をしています。
どちらかというと、幼な妻セクシー系。
マツコより、ずうっと若いのに、慣れた電話対応に日々感心し、
時々しか電話対応をしない為、余計に緊張して
更におかしくなる自分と比べてへこみます…。

OLとしても、大人としても、
知性と品を身に着けたいアラサ―OL新人です。

今まで、敬語はそれなりに使ってきたつもりでしたが、
世の会社人が使う言葉は、品を兼ね備えていない人間にとっては、
ものすごーくこっぱずかしいものです。
「ワタクシ」とか「ゴザイマス」とか…。
自分は、マダムだと思ってやるしかない
と最近は思っています。

“マダム・マツコ”

マダムシンコではありません。
ヒョウ柄は、ほどよく好きです。

そういえば、新人時代の研修で
あの有名な夢の国の親会社の方から接遇指導を受けました。
今思い出しても、画期的な研修だったなあと思います。
まず、女子にとって大好きな企業を使っての研修ってだけで
延々続く新人研修の日々に衝撃を与えます。
そして、やはりあの常にすばらしいサービスを提供し続け、
キャストの育て方は本にもなった企業ですから、
教え方も抜群!
ついつい乗せられてしまいました。
病院での接遇にしては、少し言葉がお上品すぎな印象もありましたが、
約1か月近く行われた研修の中で、唯一
10年たった今でも記憶に残っている研修です。

医療界というサービスを受ける側に対して
つい上から目線になってしまう時があるおかしな世界にいると
正しいサービス提供ができなくなってしまいます。

私は大丈夫
今更、そんな研修なんて時間の無駄

なんて思っているベテランさんも
ちょいと自分を見つめ直す機会として
接遇研修を受けてみてもいいかもしれませんね。

とりあえず、マツコは至急受けたい研修です。

マツコ