Vol.0037 愛すべき人~認知症は静かにやってきた~  [2014/06/26更新]

じいちゃんの入院は、当初3週間を予定していましたが、
“超”順調に回復したおかげで、2週間で退院となりました。

心配していた不穏や転落転倒、認知症の発症もなく、
無事に退院できたのは、看護師さんだけでなく

“看護学生さん”

がついてくれたのも、良かったのだと思います。

できる限り家族が誰や彼や、毎日顔を出すようにしていましたが、
地元からじいちゃんの入院先が遠かったこともあり、
ゆっくりそばにいることはできませんでした。

しかし、平日の日中はほとんど、
看護学生さんがじいちゃんのそばについてくれて、
あれやこれやお話をしてくれたり、体を拭いたり、
リハビリに付き添ってくれたので、
一人で寂しい時間を過ごすことは、
ほぼなかったようです。

マツコは、時間の関係上、学生さんとお会いする機会はなかったのですが…
看護学生さんをじいちゃんにつけてくれた病院と看護学校には本当に感謝です!

きっと、看護学生さんにとって
じいちゃんの看護展開ってやりやすかっただろうなあ…

「高齢者はじめての入院、はじめての手術」

問題山積み!
介入方法も数多あり、また、評価もしやすい☆
しかも、家族が日中ほとんどいないから
そばにずっとついていても大丈夫。
そして、じいちゃんは可愛い!!
私も看護学生の時にじいちゃんを受け持ちたかったなあ…。

そんな感じで家族もじいちゃんも看護学生さんに
大感謝していたのですが、
じいちゃん、やっぱりやらかしてくれました(笑)

…最終日に、お小遣いをあげようとしたのです。

もちろん学生さんは断ります。
すると次は、「贈り物を送りたいから住所を教えてくれ」と頼んだそうです。
で、最終的に学校の先生が登場し、丁寧にお断りされたそうな…。

ふふふ(笑)

あるあるあるある!

そんな患者さんって、時々いらっしゃいますよね。
マツコも、陰部洗浄をしたときに、旦那さん(患者さん)が、
「おい、ばあさん、あれ」と、ひとこと。
付き添いの奥さんが持ってこられたのが…
なんと、1万円札!!

ということがありました。
看護師にとって陰部洗浄なんて日常茶飯事のお仕事。
しかし、患者さんからすれば、それは非日常的なわけで
「そんなところまで洗ってもらって…申し訳ない」
と思われるようです。
確かに、お気持ちはよくわかります。
そのため、お気持ちに感謝しながら、丁寧にお断りをしました。

いや、だけどもう!本当にじいちゃん!!
最後の最後まで、マツコの期待を裏切ることなく
入院生活をエンジョイしてくれました(笑)

さて、そんなじいちゃん。
もともと入院前から、
「腰が痛い、膝が痛い」
と言って、一日中寝ていることが時々ありました。
退院後は、やはり筋力が落ちてしまって、
家で寝て過ごすことが多くなりました。

それでも、マツコや相方が家に行くと起きてきては
「バナナ食べるか?せんべいも食べろ」
と、お菓子や食べ物を出してくれて
お話をしてくれていました。

そして、年末。
家族で餅つきをしていたのですが、そこに
しんどいと言って横になっていたじいちゃんがやって来ました。

何をするのかな~と思ったら、物置の奥の方で
急にガサゴソ何かを探し始め、ホコリだらけの工具を出してきました。

しばらく、工具をいじっていたと思ったら…
それを置きっぱなしにして、また何かゴソゴソ…。

別の道具を家から出してきて、
今度は家の軒下で何やらしています。

マツコも、お餅を丸めなくちゃいけなかったので、
一部始終じいちゃんを見ているわけにもいかず、
お餅を丸めることに専念しました。

お餅を丸め終わり、視線をじいちゃんがいるはずの方向に戻すと
すでにそこにはおらず…
何やら仕事をした形跡と、道具がそこに放置。
さっきとは違う場所で「縄を編むんだ」と言って
しゃがみ込んで、縄の元になるワラに囲まれていました。

みなさん、この行動どう思われますか?

マツコは、認知症のサインではないか?と思い
義父や義母にそのことを伝えました。

しかし、お二人から
「元々あんな感じで、色んなものを出しては、スグに飽きちゃうの」
と返答が返ってきました。
まあ、元々ならば…と思いマツコもそれ以上は言いませんでした。

しかし、年が明け、しばらく経ってから
義父や義母の口から
「おじいさんが最近、おかしい」
という言葉が聞かれるようになりました。

何がおかしいかというと、
何十年もしていたお米作りの作業を1ヶ月以上も早く始めてしまい
稲を全てダメにしてしまったり、
野菜の苗を逆さに植えてしまったり
(ということは、根っこが上を向いて出ているという、
とてつもなく奇妙な光景が畑にあったはず…)
怒りっぽくなったり、忘れっぽくなったり…。
とうとう、病院で検査してもらうことになりました。

結果。
長谷川式認知症スケール17点。

この、長谷川式認知症スケールは、
認知症の簡易に診断できるとてもメジャーなもの。
色々な質問をして、30点満点中の20点以下が
認知症の疑いがある、と言われています。

で、じいちゃん。
17点!!
う~ん…、軽度認知症疑い★

義父、義母は、「やっぱり!」と言って笑っていましたが
マツコは内心笑えませんでした…。
何故なら、今からもう5年以上前。
マツコは、自分の父親にこの長谷川式スケールを試していました。
というのも、こんな出来事があったからでした。

ある日、父が母にとある質問をして、それに対し母が返答をしました。
なのに、その数秒後。
何事もなかったかのように、父は“同じ質問”を母にしたのです!

家族全員びっくり!

「今さっき、その質問をして、答えてもらったよね?」
しかし、次に出た父の言葉に全員固まってしまいました。
「俺は、そんなこと言ってない!!」

元々、天然キャラのマツコ父。

それまでも、「痛風は“風が吹いたら痛くなる”病気」だと思っていたり
(注:痛風は“風が吹いても痛い”と言われる病気です)

骨折で入院した病院の個室に鍵をかけて寝てしまい
看護師さんを困らせたり…
(注:もちろん鍵はかけてはいけません、巡視ができません)

まあそんな逸話が山ほどあるお人です。

当時、若年性アルツハイマーの映画やドラマが流行っており、
イケイケ看護師4年目だったマツコは、当時、齢50歳の父に
興味本位で長谷川式認知症スケールをしてみることにしました。

本来ならば長谷川式認知症スケールは、
心理学・医学・臨床心理士の先生方によって行われることが望ましく
マツコが行ったものが正しい結果ではないのかもしれませんが…
(マツコ父もマツコ相手なので、ちょっとふざけてやっていた節もありました)

マツコ父。
長谷川式認知症評価スケール、17点。

ええ、まさかのじいちゃんと同じ結果です。

じいちゃんやマツコ父のような、
少しうっかりさんや、天然さんは、
初期認知症が見つけにくいとも言われています。

マツコ父も本来は、病院で正しく診てもらい
ただの“天然”なのか“病気”なのか調べてもらうべきですが…
特に日常生活や、仕事に害があるわけでもなく
家族や周りの人に天然ボケ?で笑いを提供しながら、
日々元気に過ごしているので、「まあいっか~」と放置しています(笑)

しかし、じいちゃんの場合は明らかに
今までできていた仕事に困難を来しています。
そこで、病院から処方された認知症の薬を内服することに。
そう、じいちゃんの認知症は静かにやってきていたのです。

さて、今週はここまで!
次回は、お薬だけじゃない認知症対策☆
今こそ、使うぞ!介護保険!

じいちゃん“ハーレム状態”のはじめてのデイサービス編です。
うふふ♪
これも楽しそうでしょ?
たぶん、次回でじいちゃんシリーズ終了です。
お楽しみに~!

マツコ