Vol.0048 睡魔と闘うナース達  [2014/09/22更新]

「18G刺すよ」

この言葉を一般の人が聞くと
18Gはよくわからないけど
きっと少し穏やかではない言葉に聞こえるはず。
(確かに、18Gを実際に刺されたら穏やかではないんですが…)

これはある種の看護師のブラックジョークです。

この言葉がよく聞かれるのは、仕事終わりの勉強会やセミナー。
特に部屋を暗くしてスライドを観る系。
ついつい寝てしまう常習犯に、この言葉は投げ掛けられます。

医療関係者の方ならご存知だと思いますが、
18Gとは針の種類で、
一般病棟や外来に置いてある針の中で一番太い針です。

普段は、
主に薬液を吸ったり、注入したりするときに使用し、
人間に刺すことはしません。

なので、きっと刺されたら、めっちゃ痛いはず…。

まあ、結局のところ実際には刺さないのですが
そのくらいの気合いを入れて、寝ずに受講しなさいという意味です。

今回はそんな睡眠について少しお話しようと思います。

ナースと睡眠。

これは不規則な勤務をする看護師にとって
切っても切り離せないお題です。

看護師さんの中には、
不規則な勤務のせいか、元々なのか
寝つきが悪く、不眠で悩む看護師さんもいて、
中には、睡眠薬を内服しないと眠れない看護師さんもいます。

しかし私マツコは、幸せなことにどこでも寝れます。
飛行機、新幹線、長距離バス、なんなら床の上だってOK!

先日、ボランティアで東北に行った際は、
参加者のうち男性が8割の中
同じ部屋の二段ベッドで、平気で爆睡していました。

の○太くんまではいきませんが、基本
横になればすんなり眠れます。
「眠れない」
ということで悩んだ記憶がほとんどありません。
神経が図太いというか単純に寝ることのプロというか…

そう、寝る事は大好きです。

だから、眠くなったらもうおしまい!
眠たくて寝たくて眠たくて…

眠っている患者さんの寝顔を見ながら

ああ、このまま一緒に添い寝してしまいたい

と思うことも多々ありました。

しかし、寝ている暇はありません。
夜勤は、結構忙しいんです。

「万が一」に備え、できるだけ仕事は
早めに終わらしておきたいのと
睡魔が訪れる前の意識がしっかりしているうちに
翌日の検査確認や手術出しの準備、
退院の準備などを行わなければいけません。
その間にも、巡視やナースコール対応等々…。
これだけバタバタしていたら、
眠たくならないんじゃないかと思われますが、

それは別腹♪

突如睡魔が襲ってくるもの…それは記録です。

夜勤帯で何をしたのか、患者さんの様子はどうだったのか
夜中とはいえ、意外と記録を残しておくことは多いです。
そしてこの記録が、「催眠術並みの威力」を発揮します。

だんだん眠くなーる、眠くなーる…。

「マツコ~、見えてるよ~。」
と先輩の声。

ひいいいい~!

となって自分が書いていたカルテを見て、また

ひいいいい~!!

ミミズのような意味不明の文字(らしきもの)が、あちこちに…。
カルテの記録は、修正液は使えませんので、
二重線と訂正印の嵐。

電子カルテになって、本当に良かったと思う点です。
もちろん、電子カルテでもうつろうつろすると

あああああkkkkkkkkk…

のような悲惨な画面が出てしまうことがありますが、
紙カルテだと、後からみても
「ああ、マツコは眠たかったんだな…」と気づかれるところが
電子カルテはわからないのでイイですね♪

あの眠たくて眠たくてたまらない時に、寝ることができたら、
「ああ、もう最高。みんなありがとう!」となるのですが
ほとんどはそうはいきません。

眠気を吹き飛ばす為に、
掃除や片づけなどの身体を使う仕事をしたり
お菓子を食べたり(?)色々努力をして
睡魔に打ち勝ちます。

しかし、今までの看護人生の中で、そんな努力も虚しく
睡魔に勝てなかったことがいくつかありました…

マツコの眠たくて眠たくて失敗談をここで少しお話しましょう。

【失敗談1】
先輩がリハビリの説明してくれているのを、
立って聞いていたにも関わらず…
眠たくて眠たくて…。

必死に睡魔と闘っていたマツコの口からこぼれた言葉は、

 

「焼肉食べ放題」

 

ッッッ!?

もう、自分が口にしたその言葉で、
一瞬にして目が覚めました。

焼肉食べ放題って…。

先輩もただただ呆れて笑っていましたが(笑)
たぶん、私が逆の立場でも笑っちゃうと思います。
なんで、「焼肉食べ放題」やねん…。

【失敗談2】
手術目的で入院されたおじいちゃん患者さんに
個室で術前説明をしていた時。

パンフレットを使って、
得意の話術でスラスラ ペチャクチャ説明していたマツコ

でも本当は…

めっちゃ眠かった。

喋っているのに、
手振り身振りでジェスチャーも入れて説明をしているのに、
眠い。

で、

睡魔と闘うマツコはひと言、

 

「運動会」

 

ッッッ!?!?

またしても自分の言葉でサ―――ッと睡魔が去りました。
喋っているときに、一瞬だけ寝落ちして、
とっさに口から出た言葉が「運動会」
だから、なんでやねん…。
(注意:関西に7年ほど住んでいたので
決してなんちゃって関西人ではありません)

患者さんがマツコの異変に気づいていたか否かはわかりませんが、
ビミョーな空気が漂う中、
何事もなかったかのように説明を続けました。

どうやらマツコは
「どんな場所」だけでなく
「どんな状況」でも眠れるようです。

しかし、夜間無呼吸症候群ではないのでご安心を。
このような事態は、本当にごくごく稀です。
普段は、ちゃんと真面目にお仕事してますから(笑)

【失敗談3】
夜勤のあいだ眠たくて眠たくて…

やっと仮眠Zzz

…ぐっすり寝て起きたら、

ああ、朝日が眩しい~

ッッッ!?!?!?

“アサヒガマブシイ”わけがない!!

起床予定時刻を30分オーバー!!
失敗談1と2はまだまだ先輩が沢山いる
ピチピチナース時代のお話でしたが…

これは、自分がトップで働いていた時のお話。
こうなると、誰も起こしてくれないんですよ。

恥ずかしさいっぱいです。

慌てて出て行くと、すでに朝の採血も終わりそうな勢い。
ひたすら、平謝りです。

ああ、先輩に怒られた頃に戻りたい。
先輩ナースの切ない心情です…。

とはいえ、こんなマツコの失敗はまだまだ可愛いものです。
睡魔は「魔」が付いているだけあって
時に本当に恐ろしいことも引き起こします。

夜勤明けの帰り道、車を運転していて
気づいたら、宙吊り状態になっていた友人もいましたし、

信号待ちで止まっていたのに
気づいたら、前の車にぶつかっていた先輩もいました。

宙吊りになった友人は、
運転中、一瞬フッと眠りに落ちて中央分離帯にぶつかり
一回転したのです。
シートベルトの跡が斜めにくっきり体に残っているのを
見せてもらった記憶があります。
たまたま、周りに歩行者や車がいなかったので
独り相撲で済み、本人にも大きな怪我がなかったのですが、
本当に怖いことです。
無事で良かった。

都会では、公共交通機関を使って通勤が当たり前ですが
田舎はそうはいきません。
車やバイク通勤の人もたくさんいらっしゃると思います。

今はちょうど、秋の全国交通安全運動期間です。
眠い時は、無理せず休んで安全運転に気をつけて下さいね!
そして、少しでも眠くない朝が迎えることができるように
あなたの夜勤が平和な夜勤でありますように。

マツコ