Vol.0056 看護学生寮は女の園 [2014/11/20更新]

今から10年ほど前、
マツコの看護学校時代のお話です。

のどかな田舎の高校を卒業したマツコは、
実家を出て看護学校に入学しました。

親戚も友達もいない都会で、
ホームシックにかかることなく過ごせたのは、
入学と同時に入寮した、看護学生寮のおかげだったと思います。

生徒の1/4程度が地方出身者で、
そのほとんどが入寮していました。

1人部屋と2人部屋があり、
毎日のようにみんなで集まり、エンドレスな修学旅行状態。

おかげで、毎晩のように怒られる始末…
寮に住み込みのご夫婦がいらっしゃったのですが、

そのおじちゃんに怒られたり、
先輩に怒られたり…。

まあ、そんなこともありマツコは
「たったの1学期」でまさかの退寮。
独り暮らしを始めてしまった「脱落者」です。

それでも…
寮での生活はよい思い出で、
今でも鮮明に覚えています。

例えば、
寮に持ち込んで良い家電は、限られていました。

(1)電気スタンド
(2)ラジカセ(CD・MD可)
(3)ポット
(4)ドライヤー

……本当にこれだけ!

テレビ??

テレビは食堂に1つあるのみ。

もし21時以降に見たい番組がある場合は、

何故それが見たいのか、
「看護にどのような影響があるのか」
を説明して、許可を得なければいけませんでした。
(今なら、携帯でも見られるのに…)

そんな家電事情の中で、
みんなそれぞれ監視の目をくぐって
色んな物を(こっそり)持ち込んでいました。

中でも、
マツコが一番衝撃を受けた家電が、

炊飯器!

よほどお米が好きな人だったのでしょう。
食堂があるのに、わざわざ…
かなりツボでした。

先ほど、「監視の目をくぐって」と書きましたが、
時々、抜き打ち検査があるのです。
押入れの中まで、チェックが入ります。

テレビや炊飯器を隠し持っている人は、
布団やタオルで包んで隠し、
ビクビクしていたそうです。

次に印象的だったのが、
門限&お風呂の時間。

門限は、20:50でした。
部屋の前に出て、点呼をします。
しかし、お風呂に入れるのは20:45まで。

ですから、実質の門限は、
「お風呂を入る時間」を逆算した時間。

そんなお風呂にも、
実に色々な規則がありました。

(1)お風呂の規則1「脱衣所に入るとき」

ノックをして「失礼します、こんばんは」
次にのれんをくぐる時「失礼します、こんばんは」
脱衣所から浴室に入る時も「失礼します、こんばんは」

…3回も同じ言葉を連呼しなければいけません。

(2)お風呂の規則2「浴室内」

浴槽に入る前に身体を洗いますよね?
その時に、
手桶を足元や浴槽のふちに置いてはいけません。
手桶は必ずひざの上でキープ。

なぜ??

「あなた達も、微生物学の勉強をしたらわかるわよ」
と先輩からその理由を説明されましたが…

微生物学を勉強したあとも、全く理解できませんでした(笑)
(培養の実験は、面白かったですけどね♪)

(3)お風呂の規則3「浴室から出るとき」

もちろん、お風呂から上がるときも、
挨拶は必須です。
「お先に失礼します。おやすみなさい」
のフレーズを、3回言わなければいけませんでした。
また、浴室から出てきた人は、
脱衣場にいる人に、「浴室に何人いるのか」を伝えるのも義務のひとつ。

とにかく、事細かに規則があったのですが、
いったい誰が作ったのでしょう……??

そうそう、
お風呂では、斬新な習慣をお持ちの先輩が
何人かいらっしゃいました。

(1)ナゼか、曇って真っ白なのに、メガネを片時も外さない先輩
(2)ナゼか、髪の毛を、決して洗わない先輩
(3)ナゼか、鏡に背を向け、浴槽の方を向いて身体を洗う先輩

謎は、最後まで謎のままでした…。

ちなみに、浴槽は少し泳げる程度の広さがあり、
とても気持ち良かったのを覚えています。

門限も厳しかったですが、
外泊も厳しかったです。

週末に外泊をする場合、
水曜日までに申請を出さなければいけません。
もちろん、外泊先の住所・連絡先も必須。

一度だけ、若気の至りで、
金曜日の夜オールで遊び、土曜日の朝に一度帰り
もう一度出て行こうとしたところを見つかって
こっぴどく怒られたことがありました。

基本は、外泊中、寮に帰るのは禁止なのです。

寮生活では、
当番でトイレ掃除などもありました。

朝早く起きて、トイレ掃除。
まだ御就寝中の先輩の部屋をノックし
ご機嫌ナナメの先輩にチェックをしてもらうという、
かなり朝からスリリングな仕事でした。

先輩の部屋をノックすることが、何よりも恐かった…。

最後に、女子寮と言えば女の園。
「公然わいせつ」な方々が集まってくる!

日替わりで「色んなご趣味をお持ちの男性」が
寮の前にやって来ていました。

しかし、マツコの寮は、
はじめて見た時に「刑務所??」
と思ったくらい厳重でした。

重厚な鉄の門に、監視カメラ。

高い塀の上には、釘が鋭い歯を上に向けて
敷き詰められていました。

ですので、
さすがに門を飛び越えて寮に来る人はおらず、
寮の前の道路にウロウロされていました。

窓からみんなで様子を見ていたら、
上半身裸(なぜ??)の男性が、ジェスチャーで

「(お前たちも)脱げ!脱げ!」

と言ってきます。

ひとり暮らしであれば、普通に怖いところですが…
こちらは、重厚な城壁に守られており、大人数。
もう、面白くってみんなで笑い転げていました。

今回は、面白おかしく書きましたが、
日の暮れる時間が早くなったこの季節。
防犯ブザーを持ったり、誰かと一緒に帰ったりなど、
夜道はくれぐれも気をつけて下さいね。

さて、
今回は、女の園「看護学生寮」について書きました。

マツコは、
冒頭に書いたように1学期しかいませんでしたが
それでも、とても濃厚な時間を過ごせたと思います。

寮に入っていなければ、
もしかしたらホームシックで
田舎に逃げ帰っていたかもしれません。

テレビも思うように見られず、
門限も外泊も厳しかったけど…

怒られるまで騒いだり、

となり部屋の友達の目覚まし時計に起こされたり、

お香を焚いた匂いをタバコと勘違いした先輩が、
鬼の形相で各部屋をチェックしてまわったり。
(寮は火気厳禁!禁煙!!犯人はマツコの友人でした)

思い返すと「フッ」と笑えるような
楽しいことばかり。
かけがえのない時間を過ごすことができました。

そんな寮生活も、
もう10年以上も前の話。

今でも手を伸ばすと、
すぐに飛んで行けそうで…
だけど、掴もうとすると、スルッと手をすり抜けてしまう。

きっと、どんな人の胸にも、
そっとしまわれている、
キラキラした逃げ水のような思い出のお話でした。

グンと寒くなり、
一年を振り返る特集が多くなったこの季節。

またひとつ、一年が終わり、
あの頃がひとつ、遠くなっていきますが…
時々、思い出して、あったかくなってはいかがでしょうか。

いつまでもその時の自分を忘れずに
フレッシュな気持ちで
今の自分にも向き合っていきたいですね。

マツコ