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vol.9 『ホットパック使用による熱傷予防』
登場人物
  • 白衣たまこ

    22歳 1年目看護師
    いつも一生懸命だが
    たまに抜けている

  • 医療ゆかり

    25歳 4年目看護師
    たまこのプリセプター

  • 看護みよこ

    42歳 病棟師長
    病棟のお母さん的存在

  • イトウジロウ

    75歳
    ちょっとおとぼけの愛されキャラの患者さん パンダ耳

ホットパック使用による熱傷予防

NGポイント

  • ホットパック使用中の観察を怠った。

ホットパックなどの使用時に、低温であっても同一部位を温め続けることによって、「低温熱傷」が生じます。

低温熱傷を起こした事例

  • ホットパックを約30分以上、採血予定部位に当て続けた。
  • 四肢から離してホットパックを置いたが、処置や検査後に皮膚に接触していた。
  • ホットパックを取り扱い説明書に記載のある厚さよりも薄いタオルで包んで使用した(またはカバーがあったが使用しなかった)。

ホットパックは、保温や血管拡張、温熱療法など医療現場でさまざまに用いられ、温罨法として「看護師独自の判断で計画・実施ができる看護技術」とされています。ただし、適切に使用しなければ、低温熱傷を生じるリスクも隣り合わせにあります。

低温熱傷は、体温より少し高めの温度(44℃~50℃)のものに長時間触れ続けることによって起きます。通常の熱傷は、皮膚の表面に熱源が触れてしまうことで起こります。
一方、低温熱傷は皮膚の奥深くでじっくり進行してしまうので、通常の熱傷よりも治癒に時間がかかる場合があります。また皮下組織が壊れてしまった場合は、手術が必要になる、感染症にもかかりやすくなるなど、普通の熱傷よりも重症になることもあり注意が必要です。

以下のような方が低温熱傷になりやすいといわれています

  • 皮膚の薄い高齢者
  • 寝返りができない乳児
  • 知覚や運動能力に麻痺がある方
  • 糖尿病などで手足の循環が悪い方
  • 体の感覚が鈍くなっている方

ホットパックなど低温で温めるものを使用する際は以下のことが大事になります。

  • 取扱説明書をよく読み、対象者の状態にあわせて使用すること
  • 継続的に温める場合は、その部位を観察すること

温罨法は頼りになる看護技術です。使用方法と観察には十分に注意し、効果的にホットパックなどを使用しましょう。

医療監修/赤坂山王クリニック 院長 医学博士 梅田悦生
マンガ/ほりたみわ
(敬称略)

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