NGポイント

• ベッド移動(転床) 後、ベッド周辺の環境整備（医療機器の確認）を行っていなかった
• 担当看護師は先輩スタッフが環境整備をしてくれたと思いこんでいた

転床時の医療機器の確認、環境整備不足に関する事例

• 人工呼吸器使用中の対象者を転床したとき、人工呼吸器のコンセントがつながっていなかったため、人工呼吸器のバッテリーが落ちた。
• エアマットの電源が入っていなかったため、 ２時間後のラウンド時にエアマットの圧が抜けていた。
• ナースコールが壁にかかったまま、対象者の手元に設置されていなかったため、対象者が一人で動いて転倒した。
• ベッドのストッパーが解除になっている状態で、車いす移乗時にベッドが動き転倒した。

事故を防ぐポイント

1. 医療機器・物品の確認をする
   • 医療機器は適切に設置され、正常に作動しているか
   • コード類が整理されているか
   • ライン類は安全に管理されているか
2. 環境整備をする
   • ベッドストッパー、柵がロックされているか確認する
   • 対象者の入院生活に必要な物品を、適切な位置に設置する
     ナースコール、オーバーテーブル、床頭台、ごみ箱、車いす、歩行器といった対象者にとって必要な物品は、安全に使用でき、快適に過ごせるように設置しましょう。

まとめ

病室は個室や多床室のタイプがあり、対象者にあわせて適切な病室で治療ができるように管理されています。

対象者の状態変化によって、病室内や病棟内で転床することが必要となるケースは少なくありません。

寝たきりの対象者を転床する場合は、ベッド上に臥床している対象者や点滴ルート類、使用中の医療機器の配慮をしながら、看護師２人以上で安全に行います。

転床後は、対象者やベッドから離れる前に、必ず医療機器の確認や環境整備を行います。

担当看護師は責任をもって、対象者の療養環境の安全を守りましょう。