MRIとは「強力な磁石」を使った検査

MRIは強力な磁場を利用して画像を作り出すため、金属の持ち込みは厳禁です。
検査の前に「金属類をすべて外してください」と案内されますが、その理由を正確に説明できますか？

今回は、MRI検査における金属の危険性と、確認すべきポイントを整理しました。

金属を持ち込むとどうなるの？

1. 金属が引き寄せられ、事故の原因にMRI装置の磁力は非常に強く、ペンやヘアピン・酸素ボンベなどの金属製品が一瞬で吸い寄せられてしまいます。これにより落下や飛来によるけが、機器の故障を引き起こす危険があります。
2. 画像にノイズが発生し、診断の妨げに体内に金属があるとMRI画像に歪みが生じ、正確な診断が難しくなることがあります。
3. 金属の加熱や誤作動のリスク心臓ペースメーカー・人工関節・脳動脈クリップなどがある場合、磁力の影響で誤作動したり、発熱して火傷になることがあります。また、貼付剤に含まれる金属成分も磁場に反応し、同様に発熱ややけどの原因となることがあります。

MRI前に確認しておきたいチェックリスト

検査当日になって焦らないように事前の確認が大切です。
MRI検査のオーダーが出た際には以下の項目を確認し、必要に応じて医師に相談しましょう。

使用されている機器や患者さんの状況によってはMRI検査を受けられる場合もありますが、検査部位や内容に制限が必要な場合があり、場合によっては検査自体が受けられない可能性もあります。

• 心臓ペースメーカー・植え込み型除細動器を使用している。
• 人工内耳を装着している。
• 体内に移動や脱落の恐れがある金属（例：内視鏡クリップ）が挿入されている。
• 脳動脈瘤クリップを装着している。
• 人工関節や金属製のボルトが入っている。
• 歯科インプラントや矯正装置がある。
• 妊娠中、または妊娠の可能性がある。
• タトゥーやアートメイクをしている。
• 閉所恐怖症がある。

検査室に持ち込めないもの

検査室に入る前に、以下の物品を患者さんが身につけたり、持ち込もうとしていないか確認しましょう。もちろん、看護師自身の持ち物にも注意が必要です。

• 点滴台、車いす、ストレッチャー（MRI対応のものを使用しましょう）
• 名札（金具やクリップがついているもの）
• ボールペン
• アクセサリー（ピアス、ネックレス、指輪など）
• ワイヤー入りのマスク
• 義歯
• 貼付剤（例：ノルスパンテープ・ニュープロパッチ・フェントステープ・湿布など）
• 時計・スマートウォッチ
• 金属フレームのメガネ
• 補聴器
• 金属がついた下着（ワイヤーブラなど）
• ヘアピン・カイロ・磁気ネックレス

まとめ

今回は、MRI検査の注意事項についてのお話でした。

MRI検査は非常に高性能で体にやさしい検査ですが、「金属を持ち込まない」ことが絶対条件です。安全で正確な検査を受けるためにも、事前の確認を徹底しましょう。