専門性を高める認定看護師の資格取得は、看護師としてのキャリアアップに欠かせないステップです。
この記事では、認定看護師についての解説と、資格合格のためのコツ、メリット・デメリットについて詳しく紹介します。
どのような看護師になりたいか、どのようなキャリアを築いていきたいのか考え、前向きな気持ちで資格取得に取り組み、目標達成をめざしましょう。
認定看護師とは?
認定看護師とは、日本看護協会が認定している資格のことです。特定の看護分野において高い知識と看護技術を持つ看護師が資格を有することができます。
認定看護師の役割
実践・指導・相談の3つの役割
認定看護師の仕事は、働く環境によりさまざまですが、「実践」「指導」「相談」という3つが主要な役割です。
これらは、看護現場において専門性を発揮し、チーム全体の質を向上させるために欠かせないものです。
実践の役割
認定看護師は高度な専門知識と技術を駆使して、高い看護ケアを提供することを役割としています。
たとえば、手術室では最新の医療機器を操作し、手術の安全性を確保する役割を担います。また、感染管理のプロセスを徹底し、患者の回復をサポートします。
指導の役割
後輩看護師に対する教育や研修を行なうことを役割としています。
たとえば、新人看護師に対して手術前後のケア手順を教えたり、最新の医療技術に関する知識を共有したりします。また、もちろん患者に対しての看護ケアの指導も含みます。これにより、チーム全体のスキルが向上し、患者に提供するケアの質も向上します。
相談の役割
ほかの医療スタッフに対してアドバイスを提供し、患者ケアに関する相談窓口として機能することを役割としています。
たとえば、複雑な患者ケースにおいて、医師やほかの看護師と連携しながら最適なケアプランを策定します。このように、認定看護師はチームの一員としてだけでなく、リーダーシップを発揮して全体の医療品質を向上させる役割を果たします。
認定看護師は、同僚の看護師や医師からは信頼され、仕事上の相談や重要な看護を任されることが多くなります。従って、看護を行なっている組織の管理やアドバイス、指導なども業務にプラスアルファとして加わります。
認定看護師は看護現場における重要な存在となり、患者の安全と満足度を高めるために貢献しています。
資格取得者の数とその重要性
2024年12月時点で、認定看護師の累計資格取得者数は24,974人です。この数字は、看護業界における専門性の高まりや需要の増加が如実に反映されています。
資格取得者は、医療環境や患者ケアの質向上に大きく貢献しています。専門的な知識を活用し、患者一人ひとりに対してより的確なケアを提供することで、医療サービス全体の質が向上します。また、認定看護師が増えることで、チーム内での役割分担が明確になり、効率的な医療提供が可能となっています。
多くの看護師が認定資格を取得することは、個人のキャリアアップだけでなく、看護業界全体にとってもポジティブな影響を与えます。専門性が高い看護師の増加は、医療現場における専門性の向上やイノベーションの促進につながり、最終的には患者の満足度と医療の安全性向上に寄与しているのです。

認定看護師と専門看護師との違い
認定看護師と専門看護師は、どちらも高度な専門性を持つ看護師資格ですが、それぞれ異なる役割や目的があります。以下、両資格の違いを明確に比較します。
認定看護師
- 定義と目的
- 特定の看護分野において高い看護技術と知識を持つスペシャリストとして認定される資格。看護の質向上と専門性の強化を目的としています。
- 役割
- 実践・指導・相談の3つの主要な役割を担い、後輩看護師の教育や患者ケアの質向上に貢献します。
- 資格取得の要件
- 看護師として5年以上の実務経験と、認定分野での3年以上の経験が必要。A課程またはB課程の教育課程を修了する必要があります。
- キャリアパスと活躍の場
- 病棟や外来での高度な患者ケア、後輩の指導、チーム医療の推進など、多岐にわたる現場で活躍します。
- 利点や特徴
- 比較的取得しやすい合格率(90%以上)と、幅広い分野から選択可能な点が特徴。資格更新が5年ごとに必要です。
専門看護師
- 定義と目的
- 特定の専門分野における高度な知識とスキルを持ち、専門的な看護ケアを提供するための資格。患者中心のケアを推進し、専門領域でのリーダーシップを発揮することを目的としています。
- 役割
- 専門的な看護ケアの提供に加え、研究活動や教育・研修の実施、専門領域でのリーダーシップを発揮します。
- 資格取得の要件
- 看護師としての実務経験に加え、特定の専門分野での高度な研修や実践経験が求められます。各専門分野ごとに異なる要件が設定されています。
- キャリアパスと活躍の場
- 研究機関や教育機関、専門医療施設での勤務が多く、専門的な看護ケアの提供や看護教育、リーダーシップを発揮するポジションで活躍します。
- 利点や特徴
- 専門分野に特化した高度な知識とスキルを持つことで、専門職としての信頼性とキャリアアップの機会が広がります。研究や教育に携わる機会も豊富です。
認定看護師になるための条件
認定看護師の資格を取得するためには、実務経験や専門性といった必要な条件があります。
看護師としての実務経験
認定看護師になるためには、看護師として5年以上の実務経験が必要です。
この経験期間は、基礎的な看護技術の習得だけでなく、患者ケアにおける総合的な能力を養うために重要で、認定看護師としての基盤を形成するうえでは欠かせません。長年の現場経験を通じて、さまざまな医療状況に対応する力や、チーム医療のなかでの協働能力が身につきます。
具体的な実務内容としては、日常的な患者ケアの提供だけでなく、緊急時の対応や高度な医療機器の操作、患者とのコミュニケーション能力の向上などです。これらのスキルは、認定看護師としての専門性を高めるためには不可欠です。
実務経験を積むことで、現場での実践的な知識が深まり、理論と実践のギャップを埋めることができます。また、経験を通じて自己の強みや課題を明確にすることができ、資格取得に向けた具体的な目標設定や学習計画の策定が容易になります。
看護師としての成長と資格取得は密接に関連しています。たとえば、手術室での高度な技術を習得するなかで、専門的な知識を深める機会が増え、その結果として認定看護師の資格取得に対する自信やモチベーションが向上します。このように、実務経験を通じた成長が資格取得の成功につながるのです。
認定分野での経験
認定分野での経験は、認定看護師としての専門性を高め、資格取得に不可欠な要素です。認定看護師になるためには、看護師としての実務経験5年以上のうち、約3年以上は認定分野での実務経験が求められます。
認定分野とは、「心不全看護」「緩和ケア」「クリティカルケア」など、特定の看護分野を指します。
認定分野での経験を積むためには、まず自分の興味とキャリアパスに合った分野を選ぶことが重要です。選んだ分野での研修や実務機会を積極的に活用し、専門知識を深める努力をしましょう。また、職場内で認定分野に関連するプロジェクトやチームに参加することで、実践的な経験を豊富に積むことが可能です。
✅認定看護師の専門分野に求められる知識と技術の概要
| 分野名 | 知識と技術(一部) |
|---|---|
| 感染管理 | 医療関連感染の予防・管理、サーベイランスの実施、感染兆候の評価と薬剤の臨時投与 |
| がん放射線療法看護 | 放射線治療のアセスメント、症状マネジメントとセルフケア支援、放射線防護策の実施 |
| がん薬物療法看護 | がん薬物療法の適正な管理、副作用緩和、患者教育と意思決定支援 |
| 緩和ケア | 痛みやスピリチュアルケア、QOL向上のための症状マネジメント、家族の悲嘆対応 |
| クリティカルケア | 急性期管理、人工呼吸器の設定調整、薬剤投与量の調整 |
| 呼吸器疾患看護 | 呼吸症状管理、人工呼吸器の調整、症状緩和のためのマネジメント |
| 在宅ケア | QOL向上支援、エンド・オブ・ライフケア、胃ろうカテーテル交換 |
| 手術看護 | 手術侵襲管理、急変への迅速な対応、気管チューブの位置調整 |
| 小児プライマリケア | 重症児ケア、育児支援、虐待予防 |
| 新生児集中ケア | ハイリスク新生児の急性期管理、障害予防、家族支援 |
| 心不全看護 | 心不全症状管理、生活調整、薬剤調整 |
| 腎不全看護 | 透析機器の管理、合併症予防、腎代替療法の自己決定支援 |
| 生殖看護 | 妊孕性評価、生殖健康課題の意思決定支援 |
| 摂食嚥下障害看護 | 摂食嚥下機能評価、誤嚥予防、栄養管理 |
| 糖尿病看護 | 血糖管理、透析予防、インスリン投与調整 |
| 乳がん看護 | 周術期ケアと意思決定支援、乳がん治療合併症の予防・管理 |
| 認知症看護 | 認知症症状管理、意思決定支援、薬剤の臨時投与 |
| 脳卒中看護 | 重篤化予防、離床支援、薬剤の臨時投与 |
| 皮膚・排泄ケア | 創傷管理、ストーマケア、壊死組織の除去、陰圧閉鎖療法 |
認定看護師の種類と教育課程
認定看護師を目指す際に重要な選択肢となるのが「A課程」と「B課程」の2つの教育課程です。各課程にはそれぞれ異なる定義と目的があります。認定看護師をめざす看護師は、自身のキャリアプランや職場での役割を考慮しながら、どちらの課程が最適かを選ぶ必要があります。
A課程とB課程の違い
認定看護師資格にはA課程とB課程の2つの課程があります。A課程は21の専門分野、B課程は19の専門分野を対象としています。
以下では、それぞれの課程の具体的な内容やカリキュラムの違い、選択のメリット・デメリットについて詳しく比較します。
🔍 A課程とB課程の比較表
| 項目 | A課程(旧課程) | B課程(新課程) |
|---|---|---|
| 対象分野 | 21分野 | 19分野 |
| カリキュラム時間 | 約600時間以上 | 約800時間(特定行為研修を含む) |
| 特定行為研修 | なし | あり |
| 学習内容 | 高度な看護実践、指導・相談スキル、専門的な看護技術 | A課程の内容に加え、特定行為の研修あり |
| 受講可能な教育機関 | 限定的(2026年まで) | 多くの機関で対応 |
| メリット | 短期間で資格取得、費用負担が比較的少ない | より高度な医療行為が可能 |
| デメリット | 2026年で教育終了、特定行為が求められる職場では活用しづらい | 研修時間が長く、負担が大きい |
2026年度までにA課程の教育が終了することから、今後は主にB課程が中心となります。
B課程では「特定行為研修」がカリキュラムに追加されており、認定看護師はより高度な医療行為に対応できるようになります。
今後の課程選びにおいては、A課程の終了に伴い、B課程の内容や提供される研修の充実度についても注目が必要です。
継続的な教育内容の更新や新たな専門分野の追加など、教育機関からの情報を常にチェックし、自身のキャリアプランに最適な課程を選択することが重要です。
教育課程と学習方法のコツ
規定された教育課程は、資格取得において非常に重要です。講義形式での理論学習や実践的な研修、グループディスカッションなどが含まれ、受講者が幅広いスキルを身につけられるよう工夫されています。
教育時間を効率的に確保し学習を進めるためには、計画的なスケジュール管理が不可欠です。十分な学習時間を確保することで、認定看護師として必要な専門知識と実践的なスキルを効果的に習得することが可能となります。また、質の高い学習を通じて、医療現場での即戦力として活躍できる基盤を築くことができます。
認定看護師になるためには、日々の業務と学習時間をバランスよく配分し、定期的な復習や自己評価を行ないましょう。また、オンライン講座やセミナー、学習コミュニティーを活用することで、多忙な日々に合わせた柔軟かつ効果的な学習環境を整えることができます。

認定審査と今後の制度変更
認定審査の合格率の高さとその理由
認定看護師の認定審査の合格率は、90%以上と非常に高いです。他の看護認定審査と比較すると、認定看護師認定審査の合格率は高い位置にあります。たとえば、専門看護師や認定看護管理者認定審査の合格率も高く、80%前後ありますが、認定看護師はさらに高く90%以上です。
この合格率の高さは、受験者がしっかりとした準備を行なえば、資格取得が十分に達成可能であることを裏付けています。
資格取得をめざす看護師は、体系的な学習計画を立て、過去問題や模擬試験を活用して効果的に知識を習得したうえで認定審査を受けています。
また、認定看護師教育機関や支援制度が充実しているため、多くの看護師が資格取得に挑戦しやすい環境が整っています。
資格取得の達成可能性が高いため、より多くの看護師が専門性を高めるための一歩を踏み出しやすくなっています。
試験の特徴と対策
認定看護師試験は、準備が重要です。続いて、試験の出題範囲や問題の傾向、効果的な学習方法、さらにはメンタル面での準備やストレス管理の方法について詳しく解説します。
試験の形式と出題範囲
認定看護師試験は主に筆記試験で構成されており、専門分野に関連する実践的知識や理論が問われます。
試験は多肢選択式で行なわれ、臨床判断力、看護技術、患者ケアの質に関する問題が中心です。出題範囲は各認定分野ごとに異なり、最新の医療ガイドラインや実践基準に基づいた内容が含まれます。
効果的な学習方法と試験対策の戦略
効果的な学習方法として、まずは過去問題を繰り返し解くことがおすすめです。過去問題を通じて出題傾向を把握し、重点的に学習すべき分野を特定しましょう。
勉強計画としては、まず試験日から逆算して学習スケジュールを作成し、重点分野に多くの時間を割くことが効果的です。また、定期的に自己評価テストを行ない、理解度を確認しながら進めることで、効率的な学習が可能となります。
さらに、時間配分を工夫し、模擬試験を実施することで試験本番に近い環境での練習を積むことが重要です。また、専門書や最新の研究論文を活用し、知識のアップデートを図ることも効果的です。
メンタル面での準備とストレス管理
試験に臨む際のメンタル面の準備として、十分な休息とバランスがとれた食事をとるようにしましょう。
ストレス管理法としては、定期的な運動や趣味の時間を設けることで、心身のリフレッシュを図るといいでしょう。
また、ポジティブな自己暗示や具体的な目標設定を行ない、試験へのモチベーションを維持することも大切です。
成功事例と具体的な勉強計画の例
認定看護師試験に合格した先輩たちの成功事例は参考になります。
たとえば、
- 毎日一定の時間を学習に充て、週ごとに進捗を確認する方法
- グループ学習を取り入れて互いに教え合うスタイル
などがあります。
2027年度以降の制度変更
2027年度以降、「A課程が廃止され、B課程のみとなる」ことが決定しました。この変更は、カリキュラムの統一化や教育内容の見直しを目的としており、認定看護師教育の質を一層向上させるための施策です。
A課程の廃止とB課程のみへの移行
認定看護師をめざす看護師は、今後の教育プログラム選択においてB課程を中心に検討し、必要な準備を進めるようにしましょう。
B課程のみへの移行は、認定看護師教育に新たな視点と標準化をもたらし、より一貫した専門知識の提供を可能にします。
現在A課程に登録している看護師には、今後の手続きや学習計画の見直しが必要となります。
既存の学生に対しては、スムーズな移行を支援するためのガイダンスやサポートが提供される予定です。
この制度変更により、資格取得への道筋が明確になり、看護師としてのキャリアアップがさらに支援されることが期待されます。
5年ごとに更新
認定看護師資格の更新は5年ごとに必要です。この更新制度は、看護師としての専門知識と技術を常に最新の状態に保つことを目的としています。
更新にあたり、継続教育の修了や実務経験の維持が求められます。具体的には、認定看護師としての専門分野に関連する講座や研修の受講、定期的な実務経験の積み重ねが必要です。
更新手続きは、所定の申請書類を提出することで行なわれます。必要な書類には、継続教育の修了証明書など自己研鑽の実績を証明する書類が含まれます。以前は看護実践の実績を証明する必要がありましたが、2025年以降は更新審査申請資格に含まれなくなりました。申請は更新期限の前に行なうことが重要です。
更新制度の主な目的は、認定看護師としての資格を維持し、常に最新の知識とスキルを保持することです。これにより、患者に対して高品質なケアを提供し、医療現場での信頼性を高めることができます。
資格の更新を円滑に進めるためには、計画的な準備が不可欠です。継続教育のスケジュールを早めに立てることや、必要書類の整理・準備を余裕を持って行なうことが推奨されます。また、職場や同僚と協力し、更新のための時間を確保することも大切です。
資格取得のための費用と支援制度
資格取得にかかる費用
資格取得にかかる総費用は100〜150万円とされています。
具体的な費用の内訳は次のとおりです。
- 入学検定料 約5万円
- 入学金 約5万円
- 授業料 約100万円
- 実習費 約10万円
- 認定審査料 51,700円
- 認定料 51,700円
- その他 10万円
合計約140万円
決して安くはない費用ですが、看護師としての専門性の向上やキャリアアップをめざすための重要な投資です。
長期的な視点で見ると、資格取得は看護師としてのスキル向上や専門性の増加につながり、これが職場でのパフォーマンス向上や患者ケアの質の向上に直接寄与します。また、専門的な知識とスキルを持つことで、ほかの看護師との差別化が図れ、職場内でのポジション向上にもつながります。
資格取得後には給与アップやキャリアアップの可能性が広がり、長期的にはこれらのメリットが初期投資を上回ることが期待できます。
支援制度の利用方法
資格取得にかかる費用を抑えるための方法を紹介します。
①奨学金制度
資格取得をめざす看護師の経済的負担の軽減や、学習資源の利用を支援するために、さまざまな奨学金制度があります。
奨学金の種類には、主に政府や地方自治体が提供するもの、民間団体が設立するもの、そして学校や教育機関が独自に運営するものがあります。
政府奨学金:厚生労働省や文部科学省などが提供する奨学金。
民間団体奨学金:一般社団法人や財団が設立する奨学金。
教育機関奨学金:大学や専門学校が独自に提供する奨学金。
- 申請手順
-
各奨学金にはそれぞれ応募要件があるので確認し、履歴書や学業計画書などの必要な書類を準備します。指定された期日までに申請書を提出し、書類選考や面接を受けます。
選考を通過した場合、奨学金が支給されます。多くの奨学金は学習資料や研修費用の支援も行なっているので、経済的な負担は大幅に軽減します。
②病院の支援制度
病院によって異なりますが、一般的には資格取得にかかる費用の一部を補助する「費用補助制度」や、学習に充てるための時間を確保する「時間的支援制度」が提供されています。
これには、試験料の補助、教材費の支給、学業中の給与保証などが含まれます。
支援を受けるためには、一定の勤務年数や現在の職位、認定看護師資格取得への意欲が求められることが多いです。また、資格取得後の勤務継続や成果報告が条件となる場合もあります。
- 申請手順
-
支援制度を利用するには、病院の人事部門や教育担当部署に申請書を提出する必要があります。一般的な必要書類には、資格取得の目的や計画を記載した申請書、学習スケジュール、予算計画書などが含まれます。
実際、多くの看護師が病院の支援制度を利用して認定看護師の資格を取得しています。たとえば、資格取得費用が一部補助されたことで学習に集中できたAさんは、無事に資格を取得し、現在はチームリーダーとして活躍しています。

認定看護師としてのキャリアと職場での活躍
専門分野での知識とスキルの向上
認定看護師が専門分野で要求される高度な知識とスキルを持つことで、専門的な判断力や技術的な対応力を高めることができます。
認定看護師は専門的なトレーニングや継続教育を通じて、最新の医療知識や技術を習得します。また、救急看護師は迅速な判断と対応力を養うためのシミュレーション訓練を受けることが一般的です。
専門性の向上は、看護師自身のキャリアアップや職場での評価にも大きな影響を与えます。高度な専門知識とスキルを持つことで、リーダーシップを発揮しやすくなり、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
また、専門分野における信頼性が高まることで、患者や同僚からの信頼も獲得しやすくなります。
主要な専門分野ごとの具体的なスキル要件と役割
クリティカルケア:迅速な判断力、人工呼吸器の管理、生命維持装置の操作、緊急対応能力
感染管理:感染の予防システムの構築、感染兆候者への対応
小児プライマリケア:成長発達の知識、親子間のコミュニケーションスキル、小児特有の疾患管理
手術看護:無菌技術、麻酔管理、手術中の患者状態監視
これらの専門分野ごとの知識とスキルの習得は、認定看護師が高度な医療環境で活躍するための基盤となり、患者一人ひとりに合わせた適切なケアを実現するために欠かせません。
キャリアアップの可能性
認定看護師の資格を持つことで、専門職や管理職への道が開かれます。
たとえば、管理職への昇進機会が増えることで、看護チームのリーダーとして組織全体の運営に関与することが可能になります。また、専門職としての地位が確立されることで、高度な専門知識とスキルが職場での信頼や評価に直結し、より重要なプロジェクトや責任ある業務に取り組む機会が増えます。
さらに、認定看護師はほかの医療専門職との連携やリーダーシップ役割を担うことが求められます。これにより、医療チーム全体の連携が強化され、患者ケアの質が向上するだけでなく、職場内での影響力も高まります。
資格取得は将来のキャリアパスや専門領域の拡大にも大きく貢献します。たとえば、特定の専門分野での専門性を深めることで、新たな専門領域への進出や、教育・研修担当としての役割を担うことが可能になります。
これらのステップを通じて、看護師としての成長とともに、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。
職場での役割と活躍の場
認定看護師は、多岐にわたる役割を担っています。
病棟や外来での活動
病棟では患者一人ひとりの状態に応じたきめ細やかなケアを提供し、外来では専門的な診療補助や患者指導を行ないます。
たとえば、病棟では患者ケアの質向上をめざし、最新の医療プロトコルを導入する取り組みをリードしています。これにより、感染予防策の強化や褥瘡(じょくそう)の予防プログラムの実施など、具体的な改善策が実現されています。
また、外来では予約システムの効率化を図り、待ち時間の短縮や患者満足度の向上に貢献しています。
さらに、チーム医療における認定看護師の重要性は計り知れません。医師や他の医療スタッフと協力しながら、患者の多面的なニーズに応えるためのケアプランを策定・実施します。たとえば、急性期病棟では認定看護師が中心となって多職種チームのコーディネートを行ない、迅速な対応が求められる緊急時にも冷静かつ適切な判断を下します。
これにより、効率的かつ効果的な医療サービスの提供が可能となり、患者の回復促進に大きく貢献しています。
後輩の指導育成やコンサルテーション
後輩の指導育成やコンサルテーションは、認定看護師が職場で果たす重要な役割の一つです。
認定看護師は、後輩看護師の教育や指導に積極的に関わり、定期的な研修やワークショップの開催、個別指導の実施などにより、後輩看護師のスキル向上を支援します。
さらに、認定看護師は他の医療スタッフやチームに対してコンサルテーションを行ない、専門的な助言や支援を提供します。たとえば、複雑な患者ケースに対するアドバイスや、効率的な医療プロセスの提案などです。これにより、チーム全体の連携が強化され、患者ケアの質が向上します。
こうした指導やコンサルテーションは、現場での実践力を高めるだけでなく、職場全体の看護品質向上やスキル向上、職場環境の改善にも寄与します。
認定看護師のリーダーシップと教育的役割は、職場のモチベーションアップやチームワークの強化にもつながり、結果として患者に対するサービスの質が高まるのです。
資格取得のメリット
認定看護師の資格を取得するととは、看護師としてのスキルアップ・キャリアアップに大きなメリットをもたらします。
専門性の向上とキャリアアップ
資格取得後には、継続的な教育や研修機会が提供されるため、常に最新の知識と技術を習得し続けることが可能です。そして、認定看護師として専門分野での活動を積極的に行なうことで、自身の専門性をさらに深めることができます。
また、学会や研修会への参加、専門誌への寄稿などを通じて最新の情報を取り入れて実践に活かすことで、専門性を高めるとともに、業界内での存在感を強化できます。
さらに、認定看護師としての専門分野における深い知識と高度なスキルは、看護師個人の市場価値を高めるだけでなく、職場内での評価や信頼を大きく向上させます。
これにより、管理職や専門職への昇進の機会が増え、より責任ある立場での活躍が期待できます。
医療環境や医療水準の向上への貢献
認定看護師は、その専門知識と高度なスキルを活かして、医療現場に多大な貢献をしています。
具体的には、最新の医療技術の導入や高度な患者ケアの実施を通じて、医療チーム全体のパフォーマンス向上に寄与しています。これにより、医療サービスの質が向上し、患者に対するケアの効果も高まっています。
たとえば、認定看護師が新しい医療プロセスを導入することにより、手術前後の患者管理が効率化され、回復期間の短縮が実現できるなどがあります。
また、認定看護師はチーム医療においてリーダーシップを発揮し、他の医療スタッフとの連携を強化します。これにより、医療チーム全体のコミュニケーションが円滑になり、患者ケアの一貫性が保たれるようになっています。
これらの取り組みによって、患者満足度の向上や医療事故の減少が実現されており、認定看護師の存在は医療環境全体にとって不可欠なものとなっています。

資格取得のデメリット
資格取得のためには多くの時間を割く必要があり、また費用の負担も伴います。
時間の負担
看護師として日々の業務をこなしながら、認定看護師の資格をめざすには、学習時間の確保が大きな課題になります。
日中は医療現場での忙しい業務が続くため、通勤時間や休憩時間、さらには自宅での学習時間を効率的に活用する必要があります。これにより、学業と仕事の両立が難しく感じられることも少なくありません。
しかし、効率的な学習計画の立案や、同僚との協力体制の構築、支援制度の情報収集などにより目標達成に向けて前進することは可能です。
費用の負担
また、認定看護師の資格取得には、授業料や実習費、認定審査料、認定料などを含めて100〜150万円程度の費用が必要です。
経済的な負担に対しては、奨学金や支援制度を利用することで軽減することが可能です。これらの支援制度を積極的に活用して、資格取得へのハードルを下げるといいでしょう。
資格を活かせる職場の限定性
認定看護師の資格は、その専門性を最大限に活かすために特定の職場や分野で求められることが多いです。特定の医療機関や専門科では、認定看護師の高度な知識とスキルが不可欠とされており、これにより患者ケアの質が向上します。
しかし、すべての職場が認定看護師の資格を十分に活用できるわけではありません。たとえば、一般的な診療科や小規模な医療施設では、認定看護師の専門知識が必要とされない場合があり、資格の活用が難しいことがあります。また、職場の文化や業務内容が資格を活かす環境を提供していない場合もあります。
資格を有効に活用できる職場を選ぶためには、自分の専門分野に関連する医療機関や大規模な病院をターゲットにするといいでしょう。
先輩に話を聞いて情報収集をしたり、専門のキャリアコンサルタントに相談をすることをおすすめします。
転職を考える際には、職場の教育体制や専門分野へのサポート体制を確認し、自分の資格とキャリア目標に合致するかどうかを慎重に検討するといいでしょう。
また、認定看護師としてのキャリアパスを広げるためには、ネットワーキングや専門的な研修への参加もいいでしょう。これにより、他の医療専門職との連携を強化し、新たな活躍の場を見つけることが可能になります。さらに、継続的な学習を通じて最新の医療知識を習得し、常に業界の動向に対応できる柔軟性を持つことが、キャリアの発展につながります。
スーパーナースは看護師に特化した人材紹介派遣会社です。
これまで多数の看護師さんと取引先とのマッチングの実績があり、看護師に特化している会社だからこそのマッチング率、リピート率の高さ、案件数、全国展開、といったさまざまな強みがあります。
お仕事探しや転職に関心がある方は、ぜひ一度、スーパーナースにご相談ください。

スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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