看護学生が怒られがちな失敗「勝手な判断」「居眠り」の悩みと対策
看護実習はとにかくハードで、「看護実習期間が一番辛かった!」と当時を振り返る看護師も少なくありません。
看護学生は看護実習中にいろいろな壁にぶち当たりますが、絶対にやってはいけないことがあります。
そこで、看護実習で看護学生がやりがちなNG行為8つを【学生やりがち】【行動】【マナー】【患者さん】の4つのカテゴリーに分けてまとめました。
【学生やりがち】編に続くこの記事【行動】編では、経験不足・判断力不足による“勝手な行動”や、“睡眠不足による居眠り”について解説。評価にも直結してくるので失敗を防ぎたいものばかりです。
先輩看護師が看護学生だった時の体験談や、失敗しないための対策も具体的に紹介しているので、看護実習を乗り切るためにぜひ参考にしてください。
→続く【マナー】編では、気になるメイク・髪などの身だしなみや、態度について。恥ずかしいことで注意を受けないよう、要チェックです。
NG③ 一人で判断して行動する
看護学生が看護実習でやってはいけないことの3つ目は、実習担当者・指導者に相談せず、勝手な判断をして行動すること。
「まさか、そんなことしないよ」と思うかもしれませんが、慌ただしい医療現場では、ついつい看護学生がやってしまいやすいことなのです。
失敗談「患者さんのシャワーを快諾しちゃったせいで……」
- Tさん 30代後半 美容クリニック勤務
- 患者さんに、朝一番のあいさつに行った時に「今日はシャワーに入りたいな」と言われて、私は担当の看護師さんに相談せずに「わかりました!今日の予定に入れますね」と答えてしまいました。
担当の看護師さんに確認すると、受け持ちの患者さんは検査がぎっしり詰まっていて今日はシャワー浴介助の時間はとれないとのこと。
そのことを患者さんに伝えに行くと「今日はシャワー浴びられると思ったのに、残念だよ」とすっかり肩を落とされてしまって……。
『きっと大丈夫だろう』『このぐらいいいんじゃないかな』と思っても、必ず看護師さんに聞いてから患者さんに答えることが大事だなと思いました。
対策
勝手な行動をとったり、自分一人で判断して失敗したりしないための対策を紹介します。
✔ 実習指導者にそのつど確認・相談する
事前にカルテで確認していたとしても、医師からの口頭指示などで患者さんの安静度や食事内容が変わっていることがあります。そのため、たとえ「絶対に大丈夫」と思ったとしても、必ず担当の看護師や実習指導者に確認するようにしましょう。
✔ 患者さんが言うことを鵜呑みにしない
特に安静度や食事内容などは、間違ってしまうと大きな事故につながることもあります。
患者さんに「今日先生に、間食していいと言われたよ」などと言われても、患者さんと医療者の間でコミュニケーションエラーが発生していることもあります。患者さんが言うことを鵜呑みにせず必ず確認をしましょう。
成功談「念のため担当看護師に確認したら、勘違いが発覚!」
- Mさん 20代前半 がん専門病院 消化器外科病棟勤務
- 受け持ちの患者さんから「先生がもう歩いていいと言ってくれた。歩く練習を一緒にしてほしい」と頼まれました。
私は内心(あれ?まだ安静度は車椅子だったはず……)と思ったので、患者さんを疑うようで嫌だったのですが、一応、担当の看護師に確認をしました。
そしたら、患者さんは医師の言葉を勘違いしていた様子。実際は、今日のレントゲンの結果を見て、「明日から歩行のリハビリをスタートできるかも」と医師に言われていたようなのです。
念のために看護師さんに確認して良かったとホッとしました。
NG④ ウトウト……居眠り
看護実習でやってはいけないことの4つ目は、睡眠不足で居眠りをしてしまうこと。
看護実習の期間、看護学生はかなりの睡眠不足に陥りがち。
ついつい、大あくびをして意識が飛びそうになったり、カンファレンス中に居眠りしてしまったり……。さらに、患者さんの前、患者さんご家族がいる時にウトウト…….。
そんなことになったら怒られるのは間違いなし。『いい大人なのに私は何やっているんだろう』と、自己嫌悪に陥ることになるでしょう。
居眠りやあくびをしてしまうのは生理現象とはいえ、睡眠不足で居眠りをする事態は避けなくてはいけません。
失敗談「居眠りして反省文!看護学校を辞めようかな……」
- Sさん 30代前半 大学病院 循環器内科病棟勤務
- 産婦人科の実習で、妊婦さんへの保健指導のクラスを見学した時のこと。同じグループの3人で見学をしていたのですが、聞きっぱなしだったことや連日の実習の疲れもあり3人ともウトウトと居眠りをしてしまいました。
運悪く、保健指導を担当していた助産師さんに見つかり、「メンバー全員が寝るなんて、前代未聞!」とこっぴどく叱られました。
反省文も提出することになって、恥ずかしいやら情けないやらで自己嫌悪。しばらくの間、看護学校も辞めてしまおうかと悩むぐらい落ち込みました。
対策
居眠りしてしまったり大あくびをしてしまったりすることがないよう、気を付けるべきポイントや対策を紹介します。
✔ 睡眠時間を死守する
看護実習期間を無事に乗り切るには、睡眠時間の確保が鍵。ベストな勉強時間を見つけるなど、効率良く過ごす工夫をして、とにかく睡眠時間を確保しましょう。特にやりがちなのが、SNSをだらだら見て無駄に夜更かししてしまうこと。夜は寝室から離れたところに携帯電話を置くなどして、物理的にSNSから遠ざかる方法もオススメです。
✔ 睡眠の質を上げる
夜型から朝型へシフトさせたり、寝具や照明などの睡眠環境を整えたりして、睡眠の質を上げましょう。
✔ 健康状態を守る
体調が悪い時はどうしてもウトウトしやすくなります。栄養をしっかり摂る、身体を冷やさないようにするなど、体調管理に気を配りましょう。
✔ 眠くなった時の対処法を用意しておく
これをすれば眠気が飛ぶ!という方法を持っておくと安心です。こっそり深呼吸をする、ミントタブレットを口にするなど、効果が感じられる方法を見つけましょう。
コチラの記事も参考に!
自分にとってベストな勉強時間を見つけて、睡眠時間を確保するコツを紹介しています。
成功談「居眠りが多かったけれど、秘密の道具で目がパッチリ!」
- Mさん 20代前半 がん専門病院 消化器外科病棟勤務
- もともと授業でも居眠りが多く、すぐに寝てしまうことが悩みでした。
実習でも、患者さんと話していたりケアをしていたりする間は大丈夫なのですが、受け身の時間が苦手。聞きっぱなしの患者指導などの見学に入ると、ついウトウトしていました。
そんな悩みを友人に相談したら、鼻につけるタイプのアロマスティックを教えてくれました。ポケットに入るくらい小さくて、鼻先につけるとミントの香りの刺激で目が覚めるんです(笑)。
私は、常にこれをポケットにしのばせて実習期間を乗り切りました。
→続いて、看護実習でやってはいけない!NG8選【マナー】編は「コチラの記事」へ。
スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。