CRP(C反応性タンパク)は、炎症や組織損傷の指標として広く用いられる検査項目です。
本記事では、CRPの基準値や看護師がCRP値を活用するポイントについて解説します。
CRPとは?
CRPは、炎症や組織損傷が生じた際に肝臓で産生されるタンパク質です。特に細菌感染症や急性炎症の際に顕著に増加し、病態の評価に役立ちます。
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CRPの基準値
- 正常値: 0.3mg/dL以下
CRPの活用例
迅速な炎症評価
患者の症状に応じてCRP値を確認し、重症度を判断します。
細菌感染とウイルス感染の識別
細菌感染時にはCRP値が著しく上昇する傾向がありますが、ウイルス感染では比較的緩やかな上昇にとどまります。
術後の炎症や合併症のチェック
手術後の感染や炎症の有無を確認し、適切な対応につなげます。
治療効果のモニタリング
CRP値の変動は治療の進行状況を把握するのに有用であり、適切なケアプランの策定に役立ちます。
患者ケアの最適化
CRP値を指標として、適切な看護プランを立案・実行します。
CRPとWBCの関係
CRPは炎症の強さを示す重要な指標ですが、免疫反応をより詳しく把握するためには、WBC(白血球数)と組み合わせて評価することが有効です。
WBC(白血球数)は血液中の白血球の数を示す指標であり、免疫システムの状態や炎症・感染の有無を評価する際に用いられます。正常値の目安は3,300〜8,600/μL程度です。
CRPは炎症が発生すると発症後6~8時間で上昇し、48~72時間でピークに達します。一方、WBCは比較的早期に反応し、発症直後から増加する傾向があります。これらの指標を組み合わせることで、より正確に炎症や感染の状態を評価することが可能です。
看護師がCRP値を活用する時の5つのポイント
CRP値は、炎症や感染の有無やその重症度を把握するうえで、看護師にとって頼りになる指標です。ただし、数値だけに頼らず、症状や経過、ほかの検査データとあわせてアセスメントすることが重要です。
「このCRPの上昇にはどんな背景があるのか?」という視点を持って、変化の早期発見や適切な対応につなげましょう。
1ほかの炎症マーカーもあわせて見る
CRPの値だけではなく、ほかの炎症マーカー(WBCやPlt)も見ることで、感染や炎症の状態をより正確に判断できます。
2基礎疾患・既往歴をふまえて見る
高齢者やがん患者などでは、もともとCRPが高めのこともあります。
「この人にとっての平常値」を意識して、急な変化やいつもとの違いを見逃さないようにしましょう。
3数字だけで判断しない
CRPは炎症や感染を示す指標ですが、値が高い=すぐに重症とは限りません。
発熱・呼吸状態・創部の発赤・食欲など、症状とセットで観察しましょう。
4値の推移を見る
CRPは炎症後6〜8時間で上昇し、48~72時間前後でピークになります。
「前日と比べてどうか?」を意識し、上昇傾向か、改善傾向かを確認します。
5経過観察や報告に活かす
CRPの変化は、治療の効果判定や重症化予防の判断材料になります。
「CRPが下がってきたので抗菌薬が効いている可能性あり」
「CRP上昇+バイタル不安定 → すぐに報告」など、判断・行動につなげる視点が大切です。
まとめ
CRPは、炎症や感染の有無を把握するうえで重要な指標であり、疾患の管理にも役立ちます。ただし単独では診断が困難なため、WBCやその他の臨床所見と組み合わせた総合的な評価が求められます。看護師はCRPの変動が示す病態を理解し、患者さんの状態に応じた適切なケアや報告を行う必要があります。医師やチームと連携し、検査結果を適切に患者ケアへ反映させることが大切です。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
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