MMTは、患者さんの安全なケアやリハビリ計画の立案、異常の早期発見など看護に役立つ評価法です。
この記事では、MMTの評価基準や利用目的までをわかりやすく解説していきます。
MMTとは?
MMT(Manual Muscle Testing:徒手筋力テスト)とは、筋力の強さを評価する検査法のことです。評価は0〜5の6段階で行なわれます。
MMTの評価基準
| 評価 | 評価基準 | 説明 | 5 | Normal | 強い抵抗を加えても、運動域全体にわたって動かせる。 |
|---|---|---|
| 4 | Good | 抵抗を加えても、運動域全体にわたって動かせる。 |
| 3 | Fair | 抵抗を加えなければ重力に抗して、運動域全体にわたって動かせる。 |
| 2 | Poor | 重力を除去すれば、運動域全体にわたって動かせる。 |
| 1 | Trace | 筋の収縮がわずかに認められるが、関節運動は起こらない。 |
| 0 | Zero | 筋の収縮が認められない。 |
日常生活動作(ADL)を安定して行なうためには、通常MMT3以上の筋力が必要とされています。
大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学|『免疫疾患の解説』(2025年7月確認)

MMTは何のために行なうのか?
MMTは看護師が患者さんのADLを評価し、適切なケアを提供するために重要な知識です。以下のような目的で実施されます。
神経・筋疾患の有無や程度の把握
筋力低下の原因や分布を確認し、疾患の診断や経過観察に役立ちます。
運動機能の維持・低下の評価
筋力の変化を定期的に評価することで、身体機能の維持・改善を図ります。
リハビリテーション計画への活用
筋力の状態に合わせて個別のリハビリ目標やプログラムを設定します。
看護ケア(移乗・体位変換など)への活用
筋力に合わせた介助方法を選び、安全で効果的な看護ケアを提供します。
異常の早期発見
麻痺や神経障害の兆候を早期に察知し、迅速な対応につなげます。
リハビリスタッフとの連携
MMTの結果を共有することで、理学療法士など他職種と円滑に連携できます。
まとめ
看護師がMMTを理解し活用することで、患者さんの安全や早期回復を支えることができます。
「どのくらい筋力があるのか」を数値で把握することは、転倒予防やADL支援、リハビリ連携において非常に大きな武器です。ぜひ、この記事を参考にMMTを現場で活かしてください!

スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。






