現在ナースとして活躍している皆さんも、必ず経験してきたのが学生時代の「看護実習」。
さまざまな思い出がよみがえり、ナースさんたちで集まれば「実習あるある」的な話題で必ず盛り上がるという方も多いのでは?
看護実習の1日の流れといえば、以下のようになっていたはず。
7時半ころ:患者さんの状況確認と情報の直し
8時ころ:申し送りと看護計画のチェック
10時ころ:お薬の用意やベッドメイクなどを教わる
12時ころ:昼休み
14時ころ:リハビリの見学
16時ころから深夜まで:実習修了後、家に帰って記録や事前学習
上記のように、目まぐるしいスケジュール。思い出すだけで、あのころの疲れがよみがえるという方もいるでしょう。
そこでこの記事では、看護実習で大変だったこと・つらかったことなどを現役ナースさんの意見からご紹介します。
いま看護学生として頑張っている方は、まさに実習のつらい時期かもしれませんが、みんなこの状況を乗り切っている! と、励みにしてみては?
実習で大変なこと・つらいこと8選
1.とにかく指導担当者がこわい!
人の生死にかかわる現場だけに、緊張感をもってほしいとの意思で厳しく指導する担当者が多いのが看護実習の特徴。
現役ナースさんには「あれだけこわい思いをしただけに、自分が指導担当になることがあればもっと理解が得られる指導をしたい」という方も少なくありません。
厳しさは大切ですが、誤解を招いてしまうほど学生につらく当たるのは好ましくありませんね。
もし指導担当になったら、愛ある厳しさで指導したい! と思うはず。
2.看護記録やレポートを付けるのが大変!
毎日の看護記録が大変な作業だったという声も、多く聞かれました。
「レポートは厳しくチェックされ、直しが入ることも多くなかなか終わらない」という意見も。文字をたくさん書きすぎて、実習期間中に手を傷めてしまったという方もいました。
3.苦しそうな患者さんを看るのがつらい!
実習先の病院によっては、重症の患者さんや難病の患者さんを看る機会もあります。
「難病の子どもの患者さんを看るのがつらかった」「大変な治療で苦しい思いをしている患者さんを看るたび凹んでしまった」などの経験談も、多く聞かれます。
仕事に慣れてくるとどんな患者さんとも冷静に向き合えるようになりますが、実習でぶつかる大きな壁の1つには「患者さんとの向き合い方」が挙げられるでしょう。
4.とにかく眠れない
実習中は、レポートを書くことなどすることが多すぎてプライベートタイムはおろか、睡眠時間まで削られてしまうとの声も多くありました。
「3~4時間眠れれば御の字」「休みがあっても、外に出る元気もなかった」など、体力の消耗を実感したとの意見はたくさん集まりましたね。
「彼氏と疎遠になり別れてしまった」という、どうフォローしていいかわからなくなる体験談も……。
5.コミュニケーションに悩みまくり……
患者さんとの応対に慣れていない実習生のうちは、コミュニケーションに悩んだという方も少なくありません。
「患者さんと話そうにも静まり返ってしまい、その静けさがプレッシャーに……」「要望の多い患者さんに対応しきれず、周囲に助けを求めてばかり」など、患者さんとコミュニケーションが上手く取れずつらかったという声も。
しかし「辛いことがあるなか、患者さんが優しいことが救いだった」という声がとても多かったのも事実。実習にも慣れてくると、患者さんに救われる経験が増えてくるようです。
6.看護計画が立てられない
実習中は、とにかく日々すべきことに振り回されて頭で何かを考える暇さえ作れないことも。
そんななかで「看護計画を立てなさい」と言われても……! という状況が辛かったという声も多数です。
7.事前学習がとにかくハード
実習中は、実習時間外に行う「事前学習」の分量も半端なく多いものです。
「学習して実習を受けないと、まったく実習が成立しないので寝る間も惜しんで勉強していた」「事前学習して朝の目標を言っても、ことごとく突っ込まれてしんどかった」など、事前学習の多さや大変さを嘆く声も聞かれました。
8.ストレスを食べることで発散した結果……
看護実習に直接かかわることではありませんが、実習中はあまりにストレスが多いため「食べ過ぎた」という声も意外に多かった点が特徴的。
「実習中は遊ぶ時間も趣味の時間もなく、楽しみといえば食べることだけ。
すべてのストレスを食で発散した結果、体重が短期間で驚くほど増えてしまった」という方も。
看護実習のつらいストレスを乗り切るには?
1.同じ実習生の友達を作り、声を掛け合って勇気をチャージ
指導担当はこわい、患者さんとは距離感を掴めない……。
そんな状況のときに、頼りになるのはやっぱり友達。
実習生のみんなと仲良くなり、みんなの大変だったことを話し合ってすっきりし、実習期間を乗り切ったという方は非常に多かったです。
おしゃべりしてリセットし、「明日からまた頑張ろう!」と思えることは力になりますね。
2.こわい指導員も昔は自分のようだったと割り切る
指導担当がこわくて毎日が大変! という方のなかには「この人だって実習生だった時期がある」「この人も実習期間は自分のようにつらかったに違いない」と思い、何を言われても割り切って対処したという方も多数。
「自分のためになることを教わるのだから、どう対応されようが食い下がって質問しまくる」という、肝の据わった方も。
3.実習後に目標を作ってとにかく頑張る!
いわゆる「馬ににんじんを見せる」といわれる方式ですね。
実習を乗り切ったら「あのお店のおいしい○○を食べに行こう」「好きなアイドルのコンサートに行こう」「温泉旅行に行こう」などと考え、それを心のよりどころに毎日を頑張るという方も多数でした。
まとめ
今回は、ナースの皆さんが学生時代の実習期間につらかったことを「あるある」形式でご紹介しました。
いまでは考えられないようなことでも、看護初体験のときには大変に感じたはずです。
実習期間といえばつらいことばかりという方も多いでしょうが、そのときにできた友達はずっと苦楽を共にした仲間として大切にできるでしょう。
また、慣れないうちの患者さんとの交流もきっと良い思い出になるはずです。
何ごとも、積み重ねが大切。頼りになるナースをめざして、さまざまな経験を積む覚悟で実習を乗り切ってくださいね。