vol.43『保護テープによるスキンテアを防ぐには?』 登場人物 那須鶏子 12年目のベテランナース実はゆかりのプリセプター 那須虎児(なすとらじ) 鶏子の弟。新人ナース。 わけあって遠回りしてこの道に。 保護テープによるスキンテアを防ぐには? スキンテアとは 医療・療養環境のなかで、摩擦やずれによって起こる「皮膚が裂けて生じる真皮深層までの損傷(部分層損傷)」です。 スキンテアが起こりやすい場面 特に多いのは「保護テープ剥離時」です。その他、以下の場面でも起こりやすくなります。 転倒時 体位変換や移動介助時(車椅子、 ストレッチャーなど) 清潔ケアの介助時(入浴・清拭) 更衣介助時 器具使用時(抑制具、医療用リストバンドなど) リハビリテーション時 保護テープ剥離によるスキンテアを防ぐ方法 対象者のリスクアセスメント 「全身状態」のリスクと「皮膚状態」のリスクがあります。「全身状態」は加齢や治療、栄養状態など、「皮膚状態」には乾燥や浮腫などが含まれます。リスクアセスメント表などを利用し、アセスメントを標準化できるとよいでしょう。 保護テープの種類や特徴を理解し、対象者の状態や用途によって使い分ける 素材や粘着度によって、皮膚への影響が異なります。 保護テープの貼り方、剥がし方に注意 スキンテアは、保護テープの貼り方・剥がし方のちょっとしたコツでも予防できます。 貼り方 保護テープは必要な長さにカットしておく(貼りながらカットすると皮膚を伸ばしやすい) 皮膚のしわが入らないように貼る テープをのばさないよう貼る 同じ部位に貼ることが多い場合は、皮膚保護剤の使用を検討する 剥がし方 フィルムドレッシング材は横に引っ張って剥がす 医療用テープは180度に折り返して皮膚が持ち上がらないようゆっくり剥がす チューブ類を固定する場合 チューブが皮膚を圧迫しないようΩ型になるよう貼る まとめ 保護テープによるスキンテアの発生予防は、保護テープを貼る前のリスクアセスメントから始まっています。 保護テープの貼付による対象者への影響を正しく理解し、予防のための知識と技術を深めましょう。 医療監修/医学博士 梅田悦生 マンガ/ほりたみわ (敬称略) ポスト 前の記事 vol.42『蓄尿バックの尿破棄、忘れていませんか?』 2022.11.1 次の記事 vol.44『高齢者の転倒を減らすには?』 2023.1.4
スキンテアとは
医療・療養環境のなかで、摩擦やずれによって起こる「皮膚が裂けて生じる真皮深層までの損傷(部分層損傷)」です。
スキンテアが起こりやすい場面
特に多いのは「保護テープ剥離時」です。その他、以下の場面でも起こりやすくなります。
保護テープ剥離によるスキンテアを防ぐ方法
「全身状態」のリスクと「皮膚状態」のリスクがあります。「全身状態」は加齢や治療、栄養状態など、「皮膚状態」には乾燥や浮腫などが含まれます。リスクアセスメント表などを利用し、アセスメントを標準化できるとよいでしょう。
素材や粘着度によって、皮膚への影響が異なります。
スキンテアは、保護テープの貼り方・剥がし方のちょっとしたコツでも予防できます。
貼り方
剥がし方
チューブ類を固定する場合
まとめ
保護テープによるスキンテアの発生予防は、保護テープを貼る前のリスクアセスメントから始まっています。
保護テープの貼付による対象者への影響を正しく理解し、予防のための知識と技術を深めましょう。