看護師が転職活動・就職活動の際に必ず用意する書類といえば、「履歴書」。
この記事では、履歴書に記載する職歴、資格、志望動機などの項目について、基本的な書き方や強調すべきポイント、注意点をわかりやすく解説します。
また、履歴書を入れる封筒についても、選び方やマナーなど、採用プロセスにおいてどのように評価されるかを詳しく紹介します。
採用につながる履歴書を作成して、転職活動・就職活動を有利に進めましょう。
履歴書の基本的な書き方
まずは、看護師が転職活動・就職活動で用意すべき履歴書の基本的な書き方について詳しく紹介します。

記載すべき各項目とその内容
履歴書に記載すべき各項目を正確かつ効果的に記載することは、採用担当者にあなたのスキルや適性を正しく伝えるために不可欠です。
以下に、看護師の履歴書で特に重要な項目とその記載方法について詳しく説明します。
1個人情報
氏名や住所、連絡先などは正確、かつ見やすく記載します。特に連絡先は誤りがないように注意しましょう。
2学歴・職歴
学歴や職歴においては、特に看護師としての経験や勤務先の病院名、役職を具体的に記載することが重要です。実務経験と専門性を明確に伝えることができます。
3保有資格・研修
資格や参加した研修、セミナーなどについてはアピールとなるため、詳細に記載します。専門性や継続的なスキルアップへの意欲も示せるため、重要な項目です。
4自己PR
自己PRでは、あなたの強みや成果を具体的に記述するようにします。
5志望動機
志望動機では、応募先への熱意や適性を表現します。志望動機と自己PRの項目は、採用担当者に人柄や職務適性を伝えることができる、特に重要な部分です。
履歴書を作成する際は、記入漏れや誤字脱字に注意しましょう。各項目を一つひとつ丁寧に確認するだけではなく、作成後に第三者に校正をお願いすることで、客観的な視点からミスを見つけることができます。
それぞれの項目の書き方のポイントや注意点については、追って詳しく解説します。
手書きかパソコンか
履歴書の作成方法として、「手書き」と「パソコン作成」の2つの選択肢があります。
手書きの履歴書は丁寧さや温かみ、個性を伝えられます。一方で、パソコンでの作成はフォーマットを整えられることや修正しやすい点がメリットです。
それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在し、看護師としての応募先に適した作成方法を選ぶことが重要です。
履歴書を作成するうえでのマナー
履歴書のフォーマットはシンプルで読みやすくなるものを選びましょう。過度なデザインは不適切です。
また、手書きの場合の字体はなるべく読みやすく、カジュアルにならないようにしましょう。パソコンの場合は装飾的なフォントは避け、フォントが項目ごとにバラバラにならないように注意しましょう。
採用担当者が読みやすいかどうかを考えて作成することで、清潔感とプロフェッショナルな印象を与えることができます。
やってはいけない注意点
履歴書には正確かつ適切な情報を記載することが重要です。
誇張した職歴や、存在しない資格を記載することはNGです。
また、前職の退職理由をネガティブに記載することや、私的な情報を過度に含めることもやめましょう。信頼を損なわないように、事実に基づいた情報提供を心がけなくてはいけません。
採用につながる書き方のポイント
履歴書の各項目について、一つずつ詳しく解説していきます。
職歴や資格
看護師として応募先に自分の専門性や経験をアピールするためには、履歴書に記載する前職の病院名や資格の記載方法が非常に重要です。
勤務先の病院名や部署名の具体的な記載
前職の病院名や所属部署を具体的に記載しましょう。たとえば、「○○病院 救急科」や「△△クリニック 内科部門」など、所属部署名まで記載することで、応募先に対して自分の専門性や実務経験を明確に伝えることができます。
資格の正確な記載方法と順序
看護師免許をはじめとする専門資格は、正式な資格名称を記載し、取得年月まで明記しましょう。
また、専門資格が複数ある場合は、取得日順に並べ、最新のものから記載することで最新のスキルをアピールできます。
資格更新歴や研修受講歴の詳細な記載
資格の更新歴や受講した研修・セミナーの記載は、自分が継続的にスキルを磨いていることを示す証拠となります。
具体的な研修名や受講年月を記載することで、専門性をさらに強調し、応募先に対して自己啓発への意欲をアピールできます。
職歴の病院名、資格の効果
勤務先の病院名や保有資格は、応募先のニーズに合致しているかを示す重要な要素です。
たとえば、著名な病院での勤務経験がある場合、その病院のブランド力や教育レベルの高さをアピールポイントとして活用できます。また、特定の専門資格を持っていることで、応募先の専門科で即戦力として活躍できることを採用担当者にイメージさせることができます。
とても重要な項目なので、正確かつアピールポイントになることを意識しながら記載しましょう。
自己PR欄のコツ
自己PRを記載する欄には、具体的な職務内容や達成した成果を明確に記載することが重要です。
看護師としての経験をアピールするために、担当してきた業務内容や患者対応、チームでの連携など、日々の実務経験を具体的に記載することが大切です。
たとえば、特定の診療科での経験や、患者さんとのコミュニケーションで工夫した点などを盛り込むことで、より説得力がある内容になります。

ストーリー立てて説明するテクニック
具体的な事例を交えながら、自己PRするためのテクニックとして、STAR(Situation・Task・ Action・ Result)フレームワークの活用が有効です。
順序立てて、まずは状況(Situation)、次に課題(Task)、そしてとった行動(Action)、得られた結果(Result)というように、ストーリー立てて説明してみましょう。
そうすることで、読み手に明確で具体的なイメージを与えることができます。
最後に、応募先が求めるスキルや経験に合わせて情報を強調しましょう。
印象的なエピソードや成功体験の選び方
エピソードが採用担当者に与えるインパクトを考慮し、選ぶエピソードは応募先の企業や職務内容に関連するものを選びましょう。
求人情報を分析し、応募先が重視するポイントに自分の経験を結び付けて記載することで、よりマッチしたアピールが可能になります。
応募先に適した印象的なエピソードや成功体験の選び方については、まず過去の経験を一覧化し、それぞれの経験がどのような強みやスキルを示しているかを分析しましょう。
そのなかで、適していると思われるエピソードを選び、具体的に記述し、スキルや適性が応募先のニーズに合致していることを示すようにします。
このプロセスを通じて、自己PRが一貫性を持ち、説得力がある内容となるよう工夫しましょう。
転職理由の伝え方・書き方
転職理由を明確かつ適切に伝えることは、応募先の採用担当者に好印象を与えるために非常に重要です。
まず、前職を退職した理由はポジティブに表現しましょう。たとえば、「新たなスキルを身につけ、さらなるキャリアアップをめざしたため」など、前向きな動機を書くと効果的です。
ネガティブな理由、たとえば「職場環境に不満があった」などは避け、自身のキャリア成長や新しい挑戦への意欲を強調することが大切です。
また、転職理由が応募先の業務内容と関連していることまで書くことで、企業とのマッチングをアピールできます。
たとえば、応募先の病院が高度な医療技術を提供している場合、自分の専門性を活かし貢献したいと述べるなど、具体例を交えて理由を伝えると効果的です。
志望動機の書き方
看護師としての情熱を示すために、過去の経験や学びを交えて、自分がなぜこの職場を選びたいのかを具体的に説明すると効果的です。
たとえば、「将来的には集中治療室での専門知識を深め、患者さん一人ひとりに寄り添ったケアを提供したい」といった具体的な目標を述べることで、長期的なビジョンや専門性を採用担当者に伝えることができます。
自身のスキルや経験が応募先のニーズにどうマッチしているかを具体例を交えて説明することも重要です。
前職での看護経験、取得した資格、参加した研修などを挙げ、それらが応募先でどのように活かせるかを伝えましょう。
具体的なエピソードを用いることで、単なる希望ではなく、実際に貢献できる可能性を示すことができます。
さらに、応募先の病院や医療法人に対する関心や共感ポイントを明確に伝えることも大切です。
その病院が取り組んでいる医療サービスや地域貢献活動にふれ、自分がどのようにその一員として貢献したいかを述べましょう。
病院の理念や価値観に共感している点を挙げるのも効果的です。
抽象的・感情的な表現は避ける
抽象的な表現や過度な自己賛美は避け、事実に基づいた具体的な内容を記載することで自身の強みや意欲を伝えるようにしましょう。
文法や表現に注意し、冷静で、読みやすく整理された文章を書くことを心がけるといいでしょう。そうすることで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
応募先への希望を表現する方法
応募先への希望を記載する際は、応募先の医療法人の特徴や理念に合わせた希望を表現することが重要です。
まず、応募先の病院が掲げるミッションやビジョン、特性を理解しましょう。そして、勤務条件や職場環境に対する具体的な希望を伝える際には、現実的な範囲内で自分の希望を述べることが大切です。
たとえば、「チーム医療を重視する貴院の環境で、協力しながら専門性を高めたい」といった具体的な希望を伝えることで、自分のキャリアプランと応募先の環境がマッチしていることを示せます。
希望を伝える際の注意点
あまりにも高望みな希望を掲げると、現実味に欠ける印象を与えてしまうおそれがあります。
そのため、「自分のスキルを活かしながら、貴院の成長にも貢献できるよう努力します」というように、柔軟かつ前向きな姿勢を強調することで、採用担当者に好印象を与えることができます。
採用担当者が求める人材像に合わせる
採用担当者が求める人材像に履歴書を合わせることは、転職活動において非常に重要です。
応募先の企業や病院が求めるスキルや価値観を理解し、それにマッチする自分自身の強みを効果的にアピールすることで、選考を有利に進めることができます。
まずは求人情報や企業のウェブサイト、理念などを詳細に調査し、企業がどのような人材を求めているかを把握します。これにより、自分の経験やスキルのなかで強調すべきポイントを明確にしましょう。
具体的には、求人情報で求められているスキルや経験に自分が持っているものを照らし合わせ、特に関連性の高いものを履歴書や職務経歴書で強調しましょう。
ありきたりな表現を避けるコツ
履歴書でありきたりな表現を避けることは、応募者としての独自性をアピールし、採用担当者の印象に残るために非常に重要です。
以下に、ありきたりの表現を避けるための具体的なコツを紹介します。
1よく使われるフレーズやテンプレートを避ける
誰もが言いそうなフレーズは使わず、自分自身の経験や思いを自分の言葉で表現するようにしましょう。そうすることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
2具体的なエピソードや成果を盛り込む
ほかの応募者と差別化するために、具体的なエピソードや達成した成果を履歴書に記載しましょう。具体的な事例を挙げることで独自性が出て、説得力が増します。
注意点
看護師の履歴書では、独自性を意識しながらもプロフェッショナルなトーンを保つことが重要です。適切なビジネス用語を使用しましょう。
また、採用担当者に好印象を与えるためには、読みやすいことも重要なポイントです。
見出しや箇条書きを使用するなどして読みやすいレイアウトになるよう工夫しましょう。
文体にも統一感を持たせることで、全体的にまとまりがある履歴書を作成できます。

封筒の正しい書き方と送付マナー
履歴書を郵送する際、また持参する際の封筒も、評価を左右させる重要なポイントです。
封筒の宛名面と差出人の記載
封筒の宛名面と差出人情報を正確かつ丁寧に記載することで、採用担当者に良い第一印象を与えることができます。
以下に、正しい記載方法について詳しく説明します。
封筒の宛名面における正式な住所の書き方
宛名は縦書きにします。郵便番号を忘れず記載し、住所は都道府県から記載しましょう。
「御中」や「様」の使い分け
医療法人や病院宛の場合は、法人名や病院名を正確に記載し、後ろに「御中」を付けます。個人宛の場合は「様」を使用します。
たとえば、団体宛には「ABC医療法人御中」、個人宛には「山田太郎様」と記載します。
差出人情報の正確な場所とフォーマット
差出人情報(郵便番号・住所・氏名)は、 封筒の裏面左下に記載することが一般的です。
郵便番号を必ず記載し、住所は都道府県から略さず正確に書きましょう。
応募書類用封筒のルールとマナー
封筒には、「応募書類在中」と赤字で記載します。これにより、封筒の中身が応募書類であることが一目で分かります。
また、封筒はのりで封をして、中央に「〆」(しめ)印を書き入れましょう。封筒を封じたという印で、また、第三者に開封されていないことを示すために書きます。
これらのポイントを守ることで、見た目にも整った封筒を作成し、採用担当者に対して丁寧な印象を与えることができます。
クリアファイルの使用と書類の順序
履歴書を折らずにA4サイズの封筒に収めるためには、クリアファイルを使用することをおすすめします。
クリアファイルは無色透明のものを選び、折り目がつかないように注意しながら封筒に入れましょう。送付中の汚れや折れを防ぎ、書類をきれいな状態で届けることができます。
クリアファイルに収める書類は、上から「送付状」「履歴書」「職務経歴書」、続いてその他必要な書類や資格証明などの順序にすることが基本です。
送付状は応募の意図や自己紹介を簡潔に述べるものであり、採用担当者にとって最初に目にする書類となります。
郵送時の注意点
応募締め切り日を把握し、それに間に合うように早めに郵送手続きを行なうことが重要です。
郵便料金は、不足しないように確認してから送るようにしましょう。重要な書類であるため、追跡可能な郵送方法(たとえば、書留や速達)を選択することもおすすめします。これにより、書類の紛失リスクを低減し、確実に応募先に届いたことが確認できます。
書類を持参する際の封筒
書類を持参する際は、履歴書等の必要書類はクリアファイルに収め、書類が折れないようにA4サイズの封筒に入れましょう。
また、封筒には宛名を書かず、できれば白、もしくは茶色のシンプルな無地の封筒を選びましょう。封は必要ありません。
書類の提出マナー
応募書類を提出するタイミングは、面接の開始前や受付時など、応募先に応じて適切に行ないましょう。
受付で提出する際は封筒に入れたまま、面接官に手渡しする際は封筒から出して、クリアファイルごと提出します。
書類を差し出す際の態度
書類を差し出す際は、笑顔で丁寧な挨拶を心がけましょう。
姿勢を正し、自信を持って手渡すことで、採用担当者に好印象を与えることができます。また、緊張している場合でも、リラックスした態度を保つことが大切です。
履歴書作成から書類提出時まできちんと行なうことで、採用担当者に対して信頼感とプロフェッショナルな印象を与えることができます。転職活動を成功へと導きましょう。
コチラの記事も参考に!
スーパーナースは看護師に特化した人材紹介派遣会社です。
これまで多数の看護師さんと取引先とのマッチングの実績があり、看護師に特化している会社だからこそのマッチング率、リピート率の高さ、案件数、全国展開、といったさまざまな強みがあります。
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スーパーナース編集部
看護師の働き方を支援して30年の株式会社スーパーナース。
派遣や転職をはじめとした就業経験豊富な看護師と編集スタッフが「看護師のはたらく」に関する情報を日々お届けします。






