派遣看護師と正職員のスタッフとの距離感について、どの程度が正解？
前編の記事では、派遣看護師と、派遣先の正職員との距離感が「近い」ケースのメリット・デメリットを紹介しました。
続いてこちらの記事では、派遣看護師と、派遣先の正職員との距離感が「遠い」ケースのメリット・デメリットを紹介します。
派遣と正職員、距離感が「遠い」メリット・デメリット
人材を扱うことについてのリテラシーがある職場や大手企業、派遣看護師の採用実績がある職場では、派遣で働く看護師についてある程度距離を保っていることがあります。
また、同じ病院・会社であっても配属先の部署によっても違いがあります。
おおらかに派遣看護師をばんばん飲み会に誘う正職員がいる職場もあれば、派遣看護師にそっけない職場もあり、職場にいる人の個性によってもさまざまです。
これまでは派遣看護師も飲み会に参加していたけれど、きっぱり勤務時間外の参加を断る派遣看護師が入ったことで、あらたな規律性が生まれることもあるでしょう。
いろんな職場があるので、距離感に悩んだり戸惑ってしまうこともあるかもしれません。けれど、まず言えることは、必ずしも派遣先のスタッフや職員と「仲良くしなくてはいけない」ことはないということ。
きちんとコミュニケーションが取れて、業務をしっかり行うことができれば大丈夫。わずらわしい人間関係に巻き込まれなくて済むことも、派遣の良さです。
それでは、派遣と正職員、距離感が「遠い」とどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
距離感が遠いメリット
- 程よいあっさり感
育児や介護など、仕事外の人間関係ですでに疲弊しているので、職場で不必要な雑談などもなく、あっさり接してもらえるのがありがたい。 - 一定の距離感
もともと人間関係のしがらみが苦手で派遣になったので、距離が保たれているのが気楽。 - やるべきことに集中できる
自分のやるべきことだけをもくもくと行なうことができるので、仕事がしやすい。 - 終了時に気持ちが重くならない
契約終了となったとき、職場の人とはさっぱりした関係でいたので寂しさがあまりない。割り切って仕事ができる。 - 踏み込まれない/踏み込まない
以前の職場に噂好きな人がいて大変だった。あとで何を言われるか分からないのでプライベートの事をなるべく話さないようにしている。もともと派遣との距離感がある職場なので、上手に雑談をかわせている。
職場の悩みのほとんどは、人間関係が原因だと言われています。
派遣看護師と、職場の正職員やスタッフとの距離感が遠いことでの一番のメリットは、人間関係のしがらみから距離を置けて、ストレスから解放されることです。
距離感が遠いデメリット
- 会話が少なくて孤独
以前いた派遣の看護師がすぐに辞めてしまったり、なかなか定着しないということがあったようで、業務はサポートメインで必要最低限の説明しかなく、会話する機会もほぼない。ちょっと孤独を感じる。 - 盛り上がり時に蚊帳の外
職場は正職員同士はとても仲が良く、先日の飲み会の話題でみんなが盛り上がっているのを、近くでだまって聞くのが居心地が悪い。 - 連絡が伝わるのが遅い
業務上の必要な情報が入ってくるのがいつも少し遅いように感じる。 - 寂しい
派遣看護師として働いていた前の職場とまったく逆なので、急に周りに壁を作られたように感じてしまい寂しい。 - 疎外感
正職員同士の会話と、自分との会話の距離感が違うので、立場上当たり前と頭では分かっているけれど疎外されているように感じてしまう。
距離感が遠いことでのデメリットは、孤独や疎外感を感じてしまうものが多いようです。
けれど、このデメリットは、距離が遠いことのメリットである「人間関係・仕事のしがらみやストレスから一歩離れられる」ことと表裏一体。
自分自身はどういう働き方をしたいのか、どういう目的で派遣で働くのか、あらかじめ考えておくと良いでしょう。
また、派遣という形態であっても同じ業務を行う仲間です。
不必要に仲が良くなる必要はありませんが、業務に支障が出ないためにも、正職員やスタッフとはしっかりコミュニケーションを取るように心掛けましょう。
コチラの記事も参考に！
うまくコミュニケーションが取れないと感じたり、挨拶や報・連・相に悩みや苦手意識がある時は、こちらの記事も参考にしてみてください。
距離感で悩まない、派遣看護師のマイルール
派遣看護師と正職員の距離感が「近い」場合、「遠い」場合のメリットとデメリットを紹介してきました。
「わかる」「皆もそうなんだ」と共感した方も少なくないのでは。
また、「私はこのメリットが大切。むしろデメリットは受け入れられる」と自分の理想の働き方に気づいた点もあったのではないでしょうか。
01理想の働き方
距離感の近さ、遠さによってそれぞれあるメリット・デメリットを踏まえて、「理想の働き方」を考えておくと良いでしょう。
職場ごとになんとなく流されてしまって自分が望まない働き方をすることにならないよう、あらかじめ派遣看護師として働く時のマイルールを決めておくことがおすすめです。
02マイルール
マイルールは、例えば、
- 「不必要な自分のプライベートの情報は話さない」
- 「業務時間外のお誘いは、基本的に断る」
- 「積極的に誘われた飲み会やお茶にはなるべく参加して仲良くなる」
- 「職場で噂話しない、噂話に付き合わない」
など。
どこに住んでいるの？パートナーは何をしている人？などの雑談に、あらかじめ決めていたマイルールにのっとって答えないようにしていると「こういう話はしたくない人なのか」と相手も分かってくれるものです。
また、誘われた飲み会に積極的に参加していると「この人は皆と仲良くなりたいのか」という印象を持たれて、この先も誘われることが増えるでしょう。
働きはじめて数ヶ月経ってから急に対応を変えるのではなく、早い段階から、自分の決めていたマイルールにしたがった行動をして「この人はこういう人」という印象を付けてしまいましょう。
【成功談】煩わしい人間関係から卒業！
Mさん 20代後半 急性期病院 外来勤務- 私はもともと、常勤で病院勤務していた頃から職場の飲み会が苦手で、イヤイヤ歓送迎会や忘年会にも参加していました。
せっかく派遣で働くことを選んだのだから、煩わしい人間関係からは卒業しようと決意し派遣先でも飲み会に誘われますが基本は断っています。
そうすると、周囲も私のことを「飲み会には来ない人」と認識してくれるようになりました。
今は時々、気の合うスタッフ同士で仕事後にご飯を食べに行ったりしています。これくらい気軽な感じが、今の私にはちょうどいいですね。
【成功談】マイルールを決めて、業務に困らない程よい距離感をキープ
Bさん 30代前半 急性期病院 病棟勤務- 勤務した派遣先では、正職員、派遣関係なく食事会や飲み会などのお誘いがありました。
自分の中で気が乗らないものは行かないと決めていたので、行けるときだけ参加していました。
適度に人間関係が築けて、業務に困らないコミュニケーションも取れたので良かったです。程よい距離感を保つため、マイルールを決めるのは大事かと思います。
まとめ
いかがでしたか。
派遣の看護師として働く時、誰しも戸惑ったり、考えてしまうことがある「職場の正職員（社員）やスタッフとの距離感」について解説しました。
また、自分自身がどの程度の距離感でいたいのか、あらかじめマイルールを作っておく方法も紹介しました。
プライベートと仕事と、しっかりオンオフを切り替えられるのが派遣で働くことの良さですが、距離感が近い場合、遠い場合、どちらにしてもメリット・デメリットがそれぞれあります。
自分自身が心地良いと感じる距離感で、理想とする働き方ができるよう、この記事が参考になれば幸いです。
こちらの記事も参考に！
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監修／スーパーナース 看護業務部
